« 第24話(米国の時計メーカーについて) | | 第26話(スイスの時計メーカー:ロンジンについて) »
« 第24話(米国の時計メーカーについて) | | 第26話(スイスの時計メーカー:ロンジンについて) »
2007年01月21日

●第25話(機械式船舶クロノメーターについて)

水晶式船舶クロノメーターは平均日差±0.05秒の高精度の機械で、現在運行している船舶にはほとんど使われています。しかし過去には機械式船舶クロノメーターが幅をきかせ、高精度の機械の為製作するメーカーは数社に限られていました(機械式船舶クロノメーターは、1760年代にイギリスのジョン・ハリソンが最初に製作しました)。

スイスではユリスナルダン、ゼニス、ジラールペルゴー(1860年代に日差0.5秒の 誤差もない超高精度の船舶クロノメーターを製作)、ブルゲ、アメリカではハミルトン、日本ではセイコー舎が製作していました。機械式船舶クロノメーターは3つに分類できます。

1.マリンクロノメーター
機械の直径が95mm、デテント脱進機(近年ではほとんど見られなくなりました。この機械の良さはガンギ車の歯に注油しなくても良い点です)、提灯ヒゲを使用  機械式マリンクロノメーターの精度は、日差±1秒以内の高精度です。

2.ボードクロノメーター
機械の直径が43~70mm、クラブツース脱進機(現在の機械式腕時計のムーブメントは100%クラブツース脱進機です)、巻き上げヒゲ、2日巻

3.デッキクロノメーター
機械の直径が43~70mm、クラブツース脱進機、巻き上げヒゲ、1日巻

約30年前、ユリスナルダンのマリンクロノメーターが当時の価格で約38万円、ボードクロノメーターが約20万円、ゼニスのボードクロノメーターが約11万円しました。マリンクロノメーターは堅牢に機械が製作されている為、メンテナンスは必要ですが50年間ほぼ正確に駆動しました。古い船舶には、おそらく機械式マリンクロノメーターが搭載されているに違いありません。乗船される機会があれば、一度ご覧になったらいかがでしょうか。