« 第14話(国産メーカーについて 2) | | 第16話(国産メーカーについて 3) »
« 第14話(国産メーカーについて 2) | | 第16話(国産メーカーについて 3) »
2007年01月21日

●第15話(公式検定・クロノメーターについて)

高精度の機械式腕時計はクロノメーターの認定を受けております。例えばロレックスでは、クロノメーター規格に合格した腕時計には赤いタッグを付けて販売しています。クロノメーターの認定を受けるには、6つの試験を通らなければ合格しません。

1.5姿勢の平均日差…-3~+12秒
日差とは1日を経過した時の進み遅れをいいます。
時計は微妙なもので、同じ条件・状態でも誤差は多少違います。
10日間の日差をプラスして10で割ったものが平均日差です。

2.平均日較差…6秒
日較差とは、ある日測定した日差と、翌日同一姿勢で測定した日差との差です。
その10日間の平均を出したのが、平均日較差です。

3.最大日較差…10秒
10日間の日較差の最大の数値をいいます。

4.最大姿勢偏差…22秒
時計をある姿勢に置いた場合の日差と、他の姿勢に置いた場合の日差との差を姿勢差といい、最大の誤差が出た姿勢差を最大姿勢差といいます。腕時計では5姿勢が重要視されます。文字板上・文字板下・リューズ下・リューズ左・リューズ上です。
例えば、文字板上でプラス5秒、文字板下でプラス2秒、リューズ下でマイナス5秒、リューズ左でマイナス8秒、リューズ上でマイナス1秒としますと、最大姿勢差は13秒になります(+5+8)。

5.温度係数…±1秒
温度1度の違いに対して、1日何秒誤差が出るか、の数値です。

6.復元差…±10秒
期間を隔てて、同一条件・状態で測定した平均日差との差をいいます。
クロノメーターを認定する機関は、ニューシャテル天文台・ブザンソン・ジュネーブ天文台・ 英国テデイントンNPL・ドイツ水理学協会・ミラノ天文台等が有名です。
試験の数値は、絶えず変化しております。