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2007年01月21日

●第14話(国産メーカーについて 2)

◇シチズン
国産時計メーカーのもう一方の雄シチズン時計についてお話ししたいと思います。
シチズンの前身は尚工舎と言い、山崎亀吉氏が大正7年に創立され、大正13年に懐中時計を発売しました。しかし舶来時計を輸入していたシュミット商会に勤めていた中島与三郎氏と鈴木良一氏が、事情により尚工舎を買収し、シチズン時計を1930年に設立したのです。シチズンという名称は、時の東京市長の後藤新平氏が、市民に愛されるようにという願いを込めてシチズン(市民)と名付けたのです。

シチズンの3代目社長:山田栄一氏は鈴木良一氏の弟で、4代目社長:山崎六哉氏は 山崎亀吉氏のご子息で、5代目社長:中島迪男(みちお)氏は中島与三郎氏の孫で、最近10年間社長を務められました。

シチズン時計には、シチズン商事・シチズン電子(年商450億円)・ ミヨタ(年商400億円、長野県の御代田町に会社があります)・系列会社に日本一のクロックメーカー:リズム時計工業があります。工場は田無市にあります。

シチズンは現在、世界のムーブメントシェアの20%を占めるまでに発展しています。
年商は3500億円で、財務的には優良でほとんど無借金経営です。株価も最近ではセイコーよりも高値をつけてます。セイコーとシチズンはトヨタと日産の比較に揶揄されますが、今ではシチズンはセイコーと同等の力を蓄えております。シチズンの社風は新進気鋭で、たえずチャレンジ精神を発揮して、「電子時計のシチズン」と言われるほど、30年ほど前から電池で動く時計を開発し発売していました。ハイブリッドウォッチ・アナデジは、大変ヒットしました。クォーツ分野ではセイコーの後塵をはいしましたが、音叉時計の分野では日本でただ1社、製造発売にこぎつけました。

セイコーとシチズンの2大メーカーは、異論もあるかもしれませんが、 スイスの全メーカーの生産力・新製品開発力・技術力等、全てに優っているものと私は 思っております。