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2007年01月21日

●第13話(複雑時計腕時計について)

複雑腕時計とは、下記の機能を1つでも備えた時計のことを言います。
1.トゥールビヨン…約800万円以上(姿勢差による重力誤差を少なくする為のシステムを導入した脱進機機能を持つムーブ)
2.ミニッツリピーター…約1000万円以上(音で時刻を知らせる装置を内蔵した時計)
3.永久カレンダー…約300万円以上(カレンダーを自動的に進行させる機能を持ったムーブ)
4.スプリットセコンド・クロノグラフ…約100万円以上(センターセコンド針を複数にして、ラップタイム計測が可能なムーブ)

グランドコンプリケーションウォッチは、上記の複雑機能を兼ねた時計を言います。
ダイヤ等を使用した宝飾腕時計を除いて、世界で1番高額なグランドコンプリケーションウォッチは、多分オーデマピゲ(REF25923PT)のトゥールビヨン、ミニッツリピーター、スプリットセコンド・クロノグラフを内蔵した時計だと思います。なんと、定価は4500万円もします。

以前私は、ユーロパッション(株)の営業マンを通じてミニッツリピーターを内蔵したムーブメントを見せてもらい、音色を聞きました。その時の感動は今でも忘れられません。

ユーロパッションの営業マンの話によると、静岡県に資産家の時計愛好家がおり、1年に1度、1000万円クラスの腕時計を1個購入してもらっているとの事でした。高級外車が買える価格なのに、そういう時計が売れるのには仰天しました。時計師として、1度はグランドコンプリケーションウォッチの修理をやってみたいと思っていますが、おそらくあの複雑さを見れば、組立調整に1ヶ月以上はかかるのではないかと思います。