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2007年01月21日

●第16話(国産メーカーについて 3)

◇リコー時計
今回はリコー時計(現在名:リコーエレメックス)についてお話しします。リコーは『技術のリコー』と言われたほど、後発メーカーにも関わらず先進的な腕時計を 発売していました。セイコーよりもクォーツ腕時計の発売は2年遅れましたが、シチズンよりも1年半早く商品化し、1971年末に販売しました。セイコーは45万と高額な価格でしたが、リコーが開発したリクォーツは8万8千円(文字板に虎目石を使用)と手に届く価格に設定して販売したことは、当時としては驚異的な価格でした(リクォーツ550はCMW2次試験の教材にもなりました)。その点、クォーツの普及に多大な貢献があったと思います。

発光ダイオード式リクォーツLED腕時計は他社に先駆けて開発し、発売しました。機械時計ではデイデイトのリコーワイドという自動巻を発売しておりました。しかし話題性はありましたが、あまり売れなかった記憶があります。

現在のリコー時計は会社名が変更したように、OA機器・計量機器のメーカーとして業態が大きく変化し、800億円の売り上げのうち時計の売り上げが5%にまで縮小しています。リコーブランドの時計は時計店ではほとんど見られなくなり、OEM(相手先ブランド)供給のメーカーとして残っているのが実状だと思います。
一時計店主の希望として、高度の技術力を持ったリコーエレメックスが、今後素晴らしい魅力のある時計を開発し発売してくれることを願っています。