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2007年01月21日

●第117話(デジタル表示式自動巻腕時計について)

デジタル表示で機械式といえば、スイス時計HOGA(ホーガ)を浮かべる人が多いに違い有りません。それほどまでにホーガのデジタル表示式自動巻腕時計は有名でした(12時の所に3角の覗き穴があり、そこから数字を読み込んで時刻を知るシステムでした)。

でも一番多くのデジタル表示式自動巻腕時計を生産してきたのは、エボーシュメーカーのア・シールド(A.Schild)でしょう。ア・シールド(A.Schild)の開発したCal、ASー2072は組立調整しやすく、簡単な構造の機械で安いために、多くの時計メーカーに供給され続けました。17石入りで3姿勢の誤差が0~+30秒以内に絞り込まれていて、価格の割には精度はイイ方でした。3枚のデジタル円盤の表示板があり、外側が1~12までの時表示、中側が0~5分刻みの分表示、内側が0~5秒刻みの秒表示になっていました。普通の指針表示の時計ではなく、奇異を衒う個性的な人にはなかなか人気機種でした。

現在、ア・シールド社はETA社に吸収されています。

国産では、シチズンが表向きはデジタル表示式自動巻腕時計のように見える腕時計を作りましたが、中の機械はクォーツ式であった為に余り人気はなく、すぐ市場から消えてゆきました。表示がデジタルの数字ではなく、ただの●でその動く位置の場所により時刻を知るというものでしたので、時刻が読みとりにくいという欠点がありました。