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2007年01月22日

●続時計の小話・第29話(レーシングウォッチ)

レーシングウォッチと言えば、若人の血肉踊らせる腕時計が多々あります。アメリカ:デイトナ24時間耐久レースにメインスポンサーとしてロレックス社が名をあげ、デイトナ・クロノグラフ腕時計を今日まで発売している事はとても有名です。

ロレックスデイトナは正規品では殆ど販売している店はなく並行品では絶えずプレミアム価格になっていて異常とも言える人気時計になっています。(正規品を予約すれば数年以上の待ちは当たり前になっています)この傾向は後10年以上は続くものと思われます。

映画「スティング」で見事な詐欺師役を演じた名優ポールニューマンも、1977年にデイトナレースに出場した時に、腕にロレックスデイトナを着けていた事は今では語り草になっています。(ポールニューマンモデルと言われているロレックスデイトナはアンティーク市場でけた外れの人気があり、価格も常に高騰しています)。

リーズナブルな価格で世界中の時計ファンから人気を集めているティソ社も世界最高峰2輪ロードレース(モトGP)の公式計時を担当しており、その記念モデルが「ティソ・モトGP」クロノ・クォーツとして、人気を集めています。25歳でワールドチャンピオンになった通称「皇帝」ミハイル・シューマッハはオメガ社と手を組んでオメガ・スピードタイマー・オートマチック「ミハイル・シューマッハ特別限定モデル」を売り出しています。コラムホィールの本格的クロノグラフCAL3301を搭載してファンから人気を得ております。

「高速の貴公子」と世界中のF1ファンから尊称されていたアイルトンセナはタグホイヤーと共同開発して、セナモデル第一弾を1994年に発売しました。しかし、その時セナはレース中の事故で不慮の死を遂げてしまった為、そのセナモデルは追悼の意味合いがこもり、セナファンから爆発的な人気を得た腕時計になりました。

過去に於いてレーシングウォッチにタグホイヤー社は深く関わっており、時速300キロを越すスピードで千分の一秒を争うレースの計時に、オフィシャルタイマーとして参画してきました。インディ500でもタグホイヤー社は一万分の一秒で計時をし、インディ500記念モデルを発売したりしました。

オリス社も20人の内の1人のF1ドライバー:ラルフシューマッハと契約し、「オリス・ラルフシューマッハ・リミテッドエディション」のクロノグラフを発売し、人気を博しました。日本では、セイコーがF1ドライバー佐藤琢磨モデルを発売し、すぐに完売になった程の人気を得ました。

千分の一秒を争うF1レースでは、時速300キロ以上のスピードが出ており、1秒違えば83mもの差が付き、その中に数台がひしめき合ってトップを争うという想像を絶する過酷なレースと言えます。そのF1レーサーから信用を勝ち得た時計メーカーは、とても名誉な事だと言っても過言ではないでしょう。