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2007年01月22日

●続時計の小話・第28話(ユニバーサル・ジュネーブ再登場)

アンティーク・ウォッチファンにとって、根強い人気のあるユニバーサル・ジュネーブが2006年2月より、日本に再登場した事はとても嬉しいビックニュースです。ユニーバーサル社は1894年にエミーユ・デコームとジョルジュ・ペレによって、設立されたスイス名門時計会社の一つに数えられています。 1918年に時計工房をジュネーブに移転し、その後数々の歴史に燦然と残る傑作腕時計を世に送り出し続けました。

特にクロノグラフ時計メーカーとして、つとに有名で『トリコンパックス』はトリプルカレンダー機能付きのクロノグラフとして、絶大な人気を博してきました。また、トリプルカレンダーとムーンフェイズ機能をい合わせ持った『コンパックス』も時計通にはとても人気のある腕時計でした。

ユニバーサル・ジュネーブ社は、当時からマニュファクチュールとして有名で1954年には、同社初のオートマ腕時計『ポールルーター』を発売し、 1955年には、世界最初に『マイクロローター』の薄型自動巻腕時計を開発しました。今日、多くの超有名時計会社がこの方式を真似ています。その歴史を紐解いてみますと、揺るぎの無い確固たる技術力に裏付けされた実力のある玄人好みの時計会社と言えると思います。

この度、ヴィンセント・ラペール氏がユニバーサル・ジュネーブ社のCEOに就任して、新生ユニバーサル・ジュネーブ社として再出発しました。新たなシリーズは『オケアノス』と命名され、3針カレンダー付きオートマ、クロノグラフ、ムーンフェイズ付きのムーンタイマー,GMT表示付きのトラベラーという4つのアイテムから構成されています。オートマ以外は、デュポア・デプラ社のムーブメントを採用するなど、拘りを持った造りをしております。

小生は若い時からユニバーサル腕時計を2個愛用してきましたので、この度の本格的日本再登場をとても懐かしく、嬉しく思っています。将来ユニバーサル社はかってのように完全なマニュファクチュールの時計メーカーとして大きく変貌していくのではないか?と大いに期待しています。

(セイコークォーツクラッシュに遭遇し多くのスイス有名時計メーカーが倒産に追いやられていったにも関わらずユニバーサル・ジュネーブ社は一度も挫けることなく今日まで存続してきましたが傑作メカ式腕時計を生産してきた工作機械、工具、設備等は破棄されてしまったものと思われその点が残念至極ではあります)

今回のオケアノス新シリーズはどれを見てもデザインが秀逸で、おそらく日本の時計ファンにも大いに歓迎され人気がでていくものと推察しております。中高年の時計ファンの人々には、ユニバーサル・ジュネーブは、とても親しみのある時計ブランドですが、若い人々にはその名前はあまり浸透していないのではないか?と思われ、今後の広告宣伝活動・販売戦略が大いに重要な要素を占めるに違いありません。