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2007年01月22日

●続時計の小話・第49話(自社製クロノグラフ時計メーカー)

メカ式のコンプリケーション(トゥールビヨン、スプリットセコンド・クロノグラフ、ミニッツ・リピーター、永久カレンダー)を、自社一貫生産する時計メーカーは、極々一部しか存在致しません。

メカ式クロノグラフですら、自社一貫生産する時計メーカーも限られた10社ほどしかありません。パテックフィリップ、ランゲ&ゾーネ、ジャガールクルト、ジラールペルゴー、ゼニス、IWC、ロジェ・デュブイ、ロレックス、フランクミューラー、セイコー等々は、独自の設計でメカ式クロノグラフ・ムーブメントを生産し自社ブランドで腕時計を販売しております。

これらの時計メーカーの名前を見ましても、いかにメカ式クロノグラフムーブメントを製作する事が難しく、確かな技術力が無ければ出来ないかを伺い知る事が出来ます。そのメカ式クロノグラフ・ムーブメントメーカーの中に、新しく二つの時計メーカーが最近、仲間入りを致しました。

10年前より、ショパールのマニュファクチュール化の動向に期待と関心を寄せていました。この度、ショパールが独自のメカ式クロノグラフ・ムーブメントを僅か1年という短期間で開発した事に大いなる驚きと歓びを感じざるを得ません。この新式メカ式クロノグラフには、ローターの軸にセラミック製ボールベアリング、垂直クラッチシステム、ゼロリセット機能、両方向巻き上げ式自動巻機構等を装備しており、将来的には、このムーブメントを基礎にして、派生的にいろんなバリエーションの複雑腕時計を作っていくものと、推察します。それだけの技術力を熟成した時計メーカーに成長したと推量出来ます。

それにしても、ショパールのここ10年の目覚ましい技術開発力には、驚きを隠せません。欲を言えば、市場価格を抑えていただき、少しだけ無理をすれば購入出来る様な価格設定にして頂きたい、と思っております。そうすれば、もっと日本でも人気が出てくるものと思われます。

昨年は、モーリス・ラクロアもメカ式クロノグラフ・ムーブメントメーカーの仲間入りを果たしました。このモーリス・ラクロアのムーブメントは、ユニタスCal.6498をベースに開発された手巻きの大型クロノグラフで、懐中時計の機械をベースにしている為に、大きくなり、この時計を所有した時計愛好家には、クロノグラフの動作がハッキリと見え、楽しみが増えるものと思われます。コラム・ホイールを採用している為に、流れる様なクロノグラフ機構の動きが見られます。

今後、技術力を持ったスイス時計メーカーは自社製メカ式クロノグラフを開発する為に、まっしぐらに進んでいくものと、思われます。

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