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2008年04月14日

●続時計の小話・第82話(またまた嬉しい知らせ )

平成19年度の、1級及び2級の時計修理技能検定の学科・実技試験が今年1月に全国15会場で行われました。小売時計店の時計技術習得意識が高まる中、毎年受験者総数は増えていく傾向にあり、今年は全国で対前年15%アップの825人の人が、受験をされました。

全国15都道府県(北海道、岩手、千葉、長野、神奈川、栃木、東京、新潟、静岡、岐阜、愛知、滋賀、大阪、高知、福岡)で開催されました。

どちらか、というと東日本の地域の人の方が受験に熱心で多かったのではないか?と思われます。特に東京では、受験者数が、419人に上り過半数を占める勢いでした。西日本の時計職人を目指す方には奮起を催したいです。

合格発表は3月18日に発表されました。

弊店の2006年の時計技術通信講座修了生の神奈川県のN君から嬉しい知らせを受けました。N君は、昨年末、2級時計修理技能試験を受験する旨の連絡を受けていましたので、2年計画で合格するよう焦らずにガンバレとエールを送っていましたが、一発で合格した事を聞き、嬉しいと共に、良くやったと、褒めて上げたい気持ちで一杯です。

2級時計修理技術試験の作業内容は、アナログ式水晶腕時計『振動数32768Hz,中3針・デイデイト付き』の分解・巻真部品交換・洗浄・組立・注油・調整・リューズ操作及び測定を行い、指示要求精度及び、要求事項の範囲内に収めるという内容で、与えられた試験時間は4時間というものでした。

弊店の時計技術通信講座修了生は、述べ28人に上りますが、静岡県のK君と共に神奈川県のN君も、器用な才能・能力に恵まれた青年なので、さらに今後研鑽を積んで上を目指していただきたいと願っています。(異業種に勤めながらのK君、N君の資格試験合格は素晴らしい一言に尽きます)

日本に、時計学校と言える教育機関が3校ありますが、いづれも授業料も高く、入学するのは大変な負担が本人と親にかかります。やる気があり燃える熱意があれば、K君やN君の様に時計学校に入学しなくても時計技術の資格を獲得出来る、という事を時計学校に、色んなハンデで入学出来なかった青年諸君に知ってもらいたいと思います。

小生も若いとき、村木時計技術通信講座を受け、資格試験に合格した経緯があります。

(ちなみに、1級時計修理技能試験の作業内容を掲載しておきます。アナログ式水晶腕時計『振動数32768Hz 時3針、クロノグラフ3針・日カレンダー付き』の分解・巻き真部品交換・洗浄・組立・注油・調整・ボタン操作・リューズ操作及び測定を行い、指示要求精度及び、要求事項の範囲内に収めるというものでした。作業時間は4時間30分というものです。)

未だに試験教材にメカ式ムーブメントが採用されていないことは、技能検定委員の現状認識が逸脱していると言わざるを得ません。