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2008年02月07日

●続時計の小話・第75話(大阪府時計高等職業訓練校について)

昨年の、秋頃より弊店の時計技術通信講座を『何時頃になったら再開されるのですか?』というメールや、電話を頂きます。小生の体調が万全になり、やる気が起こりましたら、受講生をお受けして再開したいと思っております。

また、時計技術を身につけるには、どの様な方法・段取りをすればいいのですか?とか、時計職人として、身を立てるにはどのような道を選べば早く独立できるのですか?とか、小さいながらも時計店を将来経営したいので、どのような計画で、また方策を採ればいいのですか?とか、色んな相談や質問がメールで送られてきます。

時計技術を身につけるには、現在では、
ヒコみづの時計学校(宅間三千男先生(CMW)、織田幸信先生(CMW)等の講師陣)、近江時計眼鏡宝飾専門学校東京ウォッチ・テクニカム等に入学して、2~3年の期間をかけてみっちり勉強する方法もあります。

但し、何れも授業料が高額ですので生徒の皆さんにはかなりの負担を強いることになります。昔の様な、時計技術を習得した時計店・店主の家に住み込みで働いて教えを請うという、徒弟制度が崩壊した今、なかなか、時計学校を入学しないで時計技術を独学で身につけるのは難しい時代だと、言わざるをえません。

でも、本人の持って生まれた器用な才能に恵まれ、初志貫徹する強い意志があれば、独学でも時計技術は身に付くものです。実際、弊店の4回の時計技術通信講座を修了した人でも長野県の匠の時計職人一級試験を合格した、青年もいます。

大阪府には、大阪府知事認定『大阪府時計高等職業訓練校
(大阪時計宝飾眼鏡商業協同組合内、542-0082大阪市中央区島之内1-11-13
板硝子会館2階 電話06-6253-0600番(代表)、FAX06-6253-0602番 )、という優れた制度があります。

働きながら、1年間に渡って、時計技術を基本から徹底的に教えを受けられるという高等職業訓練校です。時計技術の講師陣には、日本時計師会の理事でおられました、岩崎吉博先生(CMW)、飯田弘先生(CMW・著書・『時計師のための天文学』がある高名な時計師)、また日本時計師会・会長を長年に渡り務められた飯田茂先生の直弟子である有隅武正先生(現代の名工・褒章受賞者・CMW)等の日本の時計技術界においては名だたる先生方が講師陣を務めておられます。

1週間に2日、訓練校に通い講義を受けます。他の3校の時計学校と違って、授業料がとても格安で設定されている為に、金銭的に余裕の無い若い人でも、通うことが出来ると思います。

入学金は20,000円、授業料は230,000円(年間 教材費、管外研修費含む)です。

1年間、講義を無事に修了したあかつきには、国家検定二級時計修理技能士の学科試験が免除され、修了後6年間の実務経験で、職業訓練指導員免許の受検資格が取得できます。大阪府在住の人で将来、時計技術で身を立てたい、と希望される人は、このような道もある事を選択枝の一つにしていただけたら、と思います。