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2007年06月22日

●続時計の小話・第60話(正規品と並行品)

舶来の機械式腕時計を手に入れる方法は、いくつかの選択肢があり、ユーザーの方に決断は委ねられています。一番安心して、間違いなく本物を入手する方法としては、日本の正規代理店と特約店契約を結んだ小売店で購入する方法です。

原則として、定価販売が基本姿勢ですが、資本主義経済社会の中での厳しい競争下では、定価で販売することはなかなか難しいと、言えるかもしれません。今日の様な、ネット社会が浸透してきた今、価格、アフターサービス等でユーザーの方が容易く販売価格・店舗サービスの比較を出来る状況下では、なかなか定価販売を一途に通す事は、困難と言わざるをえません。

世界で、絶対的な人気と信用を得ているR社では、ネット販売を禁止し、値引き販売をした時点で、即、正規取扱店から抹消されるという、強気な時計会社もあります。

弊店でもインターネット販売開始する以前ではR社の時計もT卸商やH卸商から正規品取扱いしておりましたが、R社に判った時点で正規品取扱いから排除されたという苦い経験があります。

舶来の機械腕時計を手に入れる方法としては、その他には、並行輸入品取扱店から買う方法や、大都市にある量販店から買う方法もあります。並行輸入品の場合は、R社の腕時計と言えども、値引き販売が可能で、正規品よりも安く購入出来ますし、正規品ではなかなか入手困難な、人気モデルでも値頃な価格で手にする事も出来ます。

並行輸入品取扱店では、アフターサービスの点で店舗間の格差が大きい為に、いろんな事を調べあげて購入された方が良いと思います。量販店で並行輸入品を購入した場合、バンド調整や、アフターサービスの面倒を十分に見ない会社もありますので、購入予定の方はよく調べ上げて、買われるべきかなと思います。

最近では、機械式腕時計が人気を得てきた為か、新品及びユーズド品をネットオークションで入手されたり、意外と品揃えが豊富である質屋さん等で入手される人が増えてきています。

ネットオークションの場合は、個人売買ですので、保証が無く、大きなリスクを伴う為に、あまり勧める方法とは言えないかもしれません。その他には、最近増えてきたのに、友人、知人、身内の方から機械式腕時計を譲られる方が増えてきた模様です。

今まで何十年も引き出しの奥に放置されていた、機械式腕時計が日の目を見て、小生の店にも頻繁に修理依頼が来るようになった事からも伺われます。今までは腕時計と言えば、店舗に出向いて腕時計を購入される人が多かったのですが、通信販売が次第に増えるにしたがって、他店で買った腕時計をバンド調整のみをしてほしいと言われる来店者が増えてきたのも事実です。

卸商の話によると、地方の零細時計店では、時計がほとんど売れなくて電池交換とチョイ直しや、メタルバンド調整のみで店を細々と経営している店が多くあるという事です。家族で経営していたメガネ専門店も量販店に押されて消えゆく店が多くあります。

白山市でもここ数年でメガネ専門店4店舗が廃業に追いやられました。なかなか厳しい店舗格差時代になったと痛感しています。腕時計を購入するには、後々のアフターサービスが充実している店で購入するのが安心と言えますし、メタルバンド調整くらいは販売店でしっかり出来る店で購入された方がなにかと、後々便利だと思います。