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2007年02月04日

●続時計の小話・第51話(好調な超高額腕時計の販売)

先日、ノモスの正規輸入代理店、(株)大沢商会グループ時計部のM氏が弊店に来店して、今年のノモスの動向やいろんな情報を頂きました。

話しをしている中では、最近、大沢商会グループが取り扱っている、『ドゥ・ヴィット』のトゥールビヨン(小売り上代3000万円以上)の腕時計が関東地区で売れたそうです。

ドゥ・ヴィットという高級腕時計は、オーナーのジェローム・ドゥ・ヴィット氏が2003年に会社を立ち上げた、新鋭の時計ブランドです。ショパールやジャッケ、バルジューからムーブメントを仕入れて、超高額腕時計を生産している会社です。ドゥ・ヴィットのトゥールビヨンも、独自のメカニズムで駆動するムーブメントとの事です。

4、5年前から、関東の有名百貨店で行われる、世界腕時計展では、一週間で数億円の売り上げがあるそうです。(客単価はゆうに100万円を超えるそうです)15年以上前では、10万円以上のクォーツ腕時計を売る事に大変な努力が必要だった事を思えば、隔世の感が致します。

日本全国の有名時計専門店(約50店舗程でしょうか)でも、1000万円以上するトゥールビヨンや複雑腕時計が現金で売れていく事を聞くと、北陸の人口15万人の小さな街で時計店を経営している小生にとっては、吃驚するような事ばかりです。

大沢商会グループM氏の話によると、そういう超高額腕時計を販売した後のフォローが大変だそうです。ハッキリ言われなかったのですが、恐らくユーザーの方の精度要求等が非常に厳しいものと推察しています。どんなにウン千万円を超すトゥールビヨンと言えども、10万円代のセイコー・クォーツには精度の面で同じ土俵の上には立てないのも事実であろうと思います。

超高額機械式腕時計に、ユーザーの方として正確な精度を要求されるのは、致し方無い心境かもしれませんが、携帯精度・日差+-2秒前後以上の精度を要求するのは無理な相談と言えると思います。その事を思えば、一部の人達にとってロレックスは、今や高額腕時計では無いと言われるかもしれませんが、ロレックス・デイトジャストに搭載されているCAL.3135を完璧に調整すれば、ウン千万円のトゥールビヨンと言えども精度の面ではかなわないのでは無いか?と小生は思っています。

昨今、格差社会が出現したと政治・マスコミ等で賑わしていますが、メカ式腕時計のユーザーの方にも格差が出てきたと時計雑誌等で書かれています。上代5万円前後のメカ式腕時計でもオーバーホール時にヒゲゼンマイ等の微細精密調整をすれば、100万円クラスの高額腕時計と比較してもまったく遜色しない精度が出るものですから、小生は5万円のメカ式腕時計でも充分、高級腕時計と思っています。