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2007年01月28日

●続時計の小話・第50話(時計研究会)

日本時計師会の本部は、大阪市にあった為に、関西地区にはCMW公認高級時計師が多く誕生致しました。著名な時計師の先生達が集まって『大阪時計研究会』という、時計技術の勉強会で研究発表等が昭和40年代初めより毎月一回、開催され月例会が定期的に行われていました。

大阪では、日本時計師会と大阪府時計眼鏡協同組合が共催で、村木時計サービスセンタービルや、大宝文化会館を場所にして行われていました。

講師としては、日本時計師会・会長の小林敏夫先生や、飯田弘先生(CMW)がジャコツールの使用について、多田稔先生(CMW)が時計師の電気学、飯田茂先生(CMW)がゼロ秒への調整、江波一郎先生(CMW)が吊りテンプについて、岩崎吉博先生(CMW)がウォッチの調整、等々を講義してこられて、時計師の技能向上の為に尽力をつくされたのです。

大阪時計研究会は、クォーツの拡大発展により、日本時計師会が解散されると共に無くなってしまったのは、残念でありました。

一方、東京には、『日本時計研究会』(住所・東京都台東区台東4-29-15上野水谷タウンプラザ301)という時計技術者の集まりの組織があり、毎月一回月例会を開いて、親睦、時計技術の勉強、研鑽に大いに貢献しています。

この日本時計研究会は、発足以来50年の長きに渡り、休まず現在まで、月例会を主催して時計師の技能発展の為に、尽くされています。『日本時計研究会』の前進は『関東時計技術研究会』と、称され、昨年11月に急逝された河田通夫氏を会長に頂き、メカ式腕時計の技術の向上と後進への指導に貢献されてきました。

その後任に最近、桑名才次氏(CMW)が新会長として選ばれ、今後の日本時計研究会の益々の発展が期待されます。(奇しくも桑名才次氏は、小生と同じ1971年度のCMW試験合格者で、CMW合格認証式でお会いして、写真では私の右横におられる人であります。)

日本時計研究会の講師の方々も名だたる著名な先生方が講師として、呼ばれています。喜連川純先生(CMW)、第二精工舎の小牧昭二郎先生、小野茂先生(CMW)、末和海先生(CMW)先生等が講師になられて、時計技術の奥深い講義をなされてきました。

『日本時計研究会』は、現在もなお継続して月例会を開いておられますので、深く時計技術を学びたいという若手時計技術者の人には、入会して勉強されるとよいのではないか、と思います。

現在の『日本時計研究会』には、末和海先生(CMW)、山田喜久男先生(CMW)、野元輝義先生(CMW)、喜連川純先生(CMW)、加藤実先生CMW)、小牧昭二郎先生(ハワードミラー・日本サービスセンター所長・ヒコ・みづのジュエリーカレッジ教授)、東谷宗郎氏(セイコー時計資料館研究員)、等が役員になられて会を盛り上げておられます。

大阪時計研究会が無い今、日本で唯一の時計研究会です。年会費も7千円と安く、入会していろんな先輩諸氏の方々の知識や技能を吸収するにはとても良い会合だと思われますので、希望に燃えた熱意ある若い人には入会をお勧めしたいと思います。

--執筆後記--

長野県主催の『信州・匠の時計修理士試験』の為に尽力された、セイコー・エプソンの高名な時計技術者・竹岡一男氏が日本時計協会の推薦により、平成18年度の時計技術の『現代の名工』を受賞された事は慶びに耐えません。氏は2005.1.25日に遠方より弊店にご来店いただき、いろいろと試験のあり方について意見を述べさせていただきました。食事をしながら会談出来たことは今となっては嬉しい思い出です。