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2007年01月22日

●続時計の小話・第11話(TUDOL-チュードル-)

ロレックスのディフュージョンブランド(普及セカンドブランド)として有名な腕時計がチュードルである事は、読者の皆様なら既にご存じの事だと思います。残念ながら、チュードルの日本総輸入元代理店が存在しないので、なかなか気に入ったチュードルを入手する事は難しい事だと思います。

チュードルも65年位の歴史があり、ロゴマークはデカバラ、タテバラ、小バラ、盾と時代と共に変換・推移していきました。現在のロゴマークの盾のイメージは、王冠をかぶったキングのような人物に見えないこともありません。ロレックスのロゴマークがクラウン(王冠)のみの事を思えば、チュードルはロゴマークでアンティーク等の色んな選択肢が楽しめると思います。

弊店にも時折チュードルの修理依頼が来ますが、現在ではETA社ムーブメントをベースにしてロレックス社がレベルアップのチューイングを施しています。ETA社はテンプの耐震装置にインカブロックを多く採用していますが、チュードルではロレックスと同じようにニューKIFを採用しています。その為にテンプ穴石・受石等を独自の物を使っています。

また、ETA社のムーブメントはヒゲ棒・ヒゲ受けを一体化した簡略のパーツを使用していますが、チュードルでは旧来のヒゲ棒・ヒゲ受け方式を敢えて採用し搭載しています。緩急針調整も、ETA社が採用している簡単なネジ式ではなく、スイス高級腕時計に見られるトリオビス・ファイン・アジャストメントを一部に採用し、微細な日差調整が容易に出来るように仕上げています。

チュードルのクロノグラフは『クロノタイム』と呼ばれ、文字板カラーは白・黒・紺・赤・黄等の沢山の色のバリエーションがあり、選択するのに悩むほど多くのアイテムが揃っています。さすがにロレックス社が監修しているだけあり、造りも見事で、一点の隙もない仕上げを施しています。

チュードルのダイバーズラインには『ハイドロノート』、『サブマリーナ』があり、ロレックスのエクスプローラーIシリーズによく似たアイテムに『レンジャー』シリーズがあります。その他、ロレックスのデイトジャストに匹敵するチュードルに『プリンセスデイト』がありなかなか充実した品揃えになっています。数年前ハワイに行ったときにショッピングセンター内の時計売場にチュードルが200個以上所狭しと一杯並んでいたことがありました。日本ではなかなか見られない光景でした。