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2007年01月22日

●第297話(TISSOT~ティソについて)

読者の方から、コストパフォーマンスに優れた時計でデザイン・仕上げ・品質の良いのはどのメーカーですか?とメールでよく質問を受けます。スイス機械式腕時計と言えば、数十万~ウン百万円という高価格のイメージがとても強いのですが、中には非常にお買い得な機械式腕時計メーカーも沢山あります。

エポス、オリス、ハミルトン、フォルティス、フレデリックコンスタント等は、品質も優秀であるにも関わらず、コストパフォーマンスにとても優れた腕時計で、機械式腕時計のファンの方々に熱い支持を得ている時計です。

その中でも小生が常日頃思っている事に、ティソが日本でもっと人気が出て、売れていけば良いと思っています。40年ほど前は、オメガの第二ブランド(デフュージョン)として、日本シーベル時計(株)が輸入代理店となり、当時日本中で沢山売れた事は以前の時計の小話でお書きしました。

ティソは過去においてオメガ社と共にSSIHグループを構成して、とても親密な関係ではありましたが、現在に至る今日までスウオッチ・グループの一員として、オメガ社が高級腕時計を指向する一方、ティソ社は、大衆時計(中級品)に力を入れてきました。

ティソ社はスイス・ル・ロックル地方に生産現場を置き、150年という、ロレックス社よりも長い歴史を積み重ねてきた、スイス老舗の名門時計会社です。スイス国旗の+をロゴマークに使用する事を許されている時計メーカーでもあります。ティソは、いろんなユーザーのニーズに対応して(T-TOUCH、バナナウォッチ、クロノダイバー、T-LOADバルジュー)等の人気の商品構成を持っています。

ヨーロッパ人の厳しい品質選択基準を十分満足させている為、欧州では圧倒的な人気を博しており、年間生産本数は、200万個を超え世界第一位のブランド生産量を誇っています。(第二位の時計メーカーが100万個を切っている事を思えばティソの人気の程が窺いしれます)このコストパフォーマンスに非常に優れているティソ社が今年4月より、人気シリーズのダイバーシースター1000、ル・ロックル・クロノを10%~25%強の大幅な値下げを断行したことは、快挙と言わざるをえません。このような大胆な値下げが出来る要因の一つにメカ式に3種類のETAムーブメントとしか搭載しないという効率を優先的に考えているからでしょう。

・・・・グループが、大幅な値上げを過去にしてきた事を思えば、いかにティソ社(スウォッチ・グループ)が超良心的な会社であるかわかると言うものです。もっともっと日本でティソ社のファンが増えて欲しいと、願ってやみません。