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2007年01月22日

●第298話(オメガ・レイルマスター)

オメガ社の紳士用腕時計シリーズの中で、長男の位置にあるのはシーマスターでしょうし、ヤンチャな次男坊はスピードマスターでしょうか。三男、四男と続くシリーズに、コンステレーション、デビル、ジュネーブが挙げられると思います。末っ子には、レイルマスターでしょう。

約40年ぶりにオメガ社が、レイルマスターを復活させた事は、レイルマスターに並々ならぬ意気込みが感じられます。復活第一段のレイルマスターはセンターセコンドのコーアクシャル脱進機を搭載した、ムーブメントでしたが、第二段のレイルマスターは、懐中時計用ムーブCal.2201を搭載した、インダイヤルにセコンドを配置した、ビッグサイズの手巻き腕時計です。

文字板も精悍な黒色で、黒豹をイメージするような、造りになっていて、文字板のアラビア数字がハッキリ目に飛び込んでくる鮮烈さを持った時計です。この新作レイルマスターは必ず人気が出てくるだろうと予感しています。

以前に石川県のK様から、アンティークのレイルマスターの修理依頼を受けた事があります。その時のレイルマスターは、オメガの手巻きムーブメントとしては、最高を誇る30mmキャリバーCal.286(17石  18000振動)が搭載されていました。おそらく、このレイルマスターは1961~1963年の間に生産されたものと推察しています。K様は、この貴重なレイルマスターを海外オークション(e-bay)から数万円で買われたと、聞き及んでいます。

アンティーク・レイルマスターには、30mmキャリバーCal.284(1955~1959年生産)と、同じく30mmキャリバーCal.285 (1958~1961年生産)の手巻き腕時計があります。レイルマスターの大きな特徴は、シーマスター、スピードマスターと比較して、耐磁性能を強くする為に、ケース等に色んな対策を練っていたことです。レイルマスターが、僅かの販売期間で生産中止されたのは、ロレックス・ミルガウスが生産中止になったとの兼ね合いを見ても、不思議な現象と言えます。今後のオメガ社のレイルマスターの人気の沸騰、販売数量如何によっては、ロレックス・ミルガウスが復活する刺激になるやかもしれません。

それにしても、オメガ社が、鉄道時計として、名を馳せたレイルマスターを今まで長期間何故眠らせていたのか、また如何なる理由によって最近復活させたのか、復活プロジェクトチームリーダーに聞いてみたい気がします。日本のアンティーク・ショップではレイルマスターは異常とも言える高騰価格になっていますがe-bayを上手く利用すれば安く入手出来るかも知れません。(同様にロレックス・ミルガウスも異常な価格になっているのには驚かざるをえません。)