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2007年01月21日

●第90話(鉄道腕時計について)

国鉄時計と言えば19セイコー懐中時計が思い浮かべるほど有名ですが、広島市の読者の方から30年前の国鉄職員専用の腕時計(シチズン・ホーマー21石セコンドセッティング機能付き)の修理依頼が舞い込みました。今ではすっかり忘れておりましたが、シチズン・ホーマーも国鉄に採用されておりました。

このムーブは安価の割にはとても精度が出る機械で、1級時計技能士試験の教材にもなった時計でした。前回の修理の時に裏蓋パッキングが入っていなかったためにかなり錆びておりましたが、OH・及び調整でかなりの精度が復活しました。国鉄に正式採用されたほどのことはあると今更ながら感心いたしました。

機械時計は持っている人の愛情一つでいくらでも寿命が延びる物であると思います (水・衝撃・磁気に注意すれば)。定期的に3~4年に一度、しっかりした技術者に分解掃除をしていたら、60年間は完璧に正常に動くものと思います。

シチズンも素晴らしいメカ式腕時計を製造できる技術を持ち合わせていたのですから、セイコーのメカ式GSのようにグロリアス・シチズンの復活を渇望します。やっぱり本当の時計の味・良さを解る人は、メカ式の腕時計を買われるのではないでしょうか。若者を中心にあれほど騒がれたカシオGショックも、今では陰りを見せ時計部門売上高も16%減になったということらしいです。デジタルはいろんな面白い機能が付いて楽しいですが、私はいまだかって1個も所有したことがありません(逆に言えば年食って頭がついていかないのかもしれませんが)。この時計はHPに載せてありますので関心のある方は一度見て下さい。