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2007年01月21日

●第84話(スイス時計ブレゲについて)

創業は1775年、フランス・パリにてアブラアン・ルイ・ブレゲによって始まりました。時計史上に残る大天才アブラアン・ルイ・ブレゲの名を冠した腕時計は、機械式時計ファンにとって永遠の憧れのステイタス・ブランドではないでしょうか。

どれもが個性的で高価な超複雑時計であるために、年間生産本数は8000本前後という少なさです。長い間沈黙しておりましたが、パリの有名宝石店ショーメと著名時計技術者ダニエル・ロートが結びつくことにより、1970年ジュウ渓谷ラベイの工房にて見事に復活致しました。

ブレゲ腕時計の特徴と言えば、ブルースティールの独特のブレゲ針・ギロッシュ文字盤・ケースサイドのコインエッジ等がつとに有名です。

最近、スウォッチ・グループに入り今後の動向に目が離せない存在です。一部ムーブメントを複雑専門エボーシュメーカー・フレデリックピゲから供給を受けて おります。と言うことは、もう一方の老舗の雄ブランパンの奇跡的な復活と似ているかもしれません。

ブレゲ一族は余り知られていないのですが、航空機業界にも大きな足跡を残しており、フランスの航空機メーカー、ダッソーブレゲ社に引き継がれております(1907年、初の有人ヘリコプターの離陸に成功・1909年にはブレゲ型飛行機の製作等)。
ブレゲの発明に関しては時計の小話第37話に詳しく書いておりますのでお読み下さい。

主なブレゲ時計には下記のような代表的な品があります。
・トゥールビヨン・クロノグラフ手巻き腕時計(プラチナケース)1550万円
・トノーカンブレ・クロノグラフ自動巻腕時計(18KYGケース・Cal550)330万円
・タイプXXトランスアトランティック・スティール自動巻腕時計(フライバック機能付き)85万円
・ミニッツリピーター(中世に於いては電気照明が無かった為に、暗闇の中で音で時刻を知ることが出来る時計が必要とされた)
・裏スケルトン腕時計2200万円
・イクエーション腕時計(パーペチュアルカレンダーと平均太陽時との均時差を表示する機能)1350万円
・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー・ミニッツリピーター・レトログレード・ジャンピングアワー250周年記念モデル腕時計云千万円?

7代目エマニュエル・ブレゲは、生誕250周年を記念して大作400ページの「ブレゲ」を刊行しました。彼の優しい眼差しは、初代ブレゲの面影にそっくりなので吃驚してしまいます。やはり紛れもない血筋なのですね。