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2007年01月21日

●第81話(スイス時計ブライトリングについて)

ブライトリング社は、1884年スイスジュウ渓谷・サンティミェにてレオン・ブライトリング氏が創業しました。現在の年間生産本数は10万個以上にのぼり、その全製品がクロノメーター(メカ式・クォーツとも)という快挙を2000年に成し遂げました。ブライトリング腕時計は、どの機種を買ってもCOSC公認のクロノメーター精度(日差-4秒~+6秒が合格)が保証されていることになります(機械式といえども当たり外れのない腕時計と言えます)。

内外価格差が殆どない良心的価格設定で、ユーザーに支持されております。個人的にはクロノマット系(ムーブは25石28800振動)のケバイ、デザインが好きではありませんが、最近のナビタイマー系の落ち着いたデザインはとても好きです。こんな事を言ったら熱烈なブライトリングファンから叱られてしまうかな。

1915年に世界最初に腕時計型クロノグラフ「30分タイマー」を開発して以来、航空パイロットには圧倒的な人気があります。空・計器の時計クロノとして、タグ・ホイヤーと二分する名門です。

クロノグラフに特化したブライトリング社も例に漏れずクォーツクラシュで大打撃を受け、存亡の危機にさらされましたが、1983年メカ式クロノの新作クロノマットによって見事に息を吹き返しました。これは現会長アーネスト・シュナイダー氏の経営手腕によるものでしょうか。

今日では増産体制を整えるためにも複雑時計の専門エボーシュメイカー・ケレック社(1896年創業ムーンフェイズ・ミニッツリピーター・パワーリザーブ等のコンプリケーションを専門に生産、日本輸入総代理店はシチズン商事(株)で、ケレックブランドの腕時計を発売しております)を翼下に取り入れました。世界中からの注文を賄うために、スイス・グレンヘンに近代的システムを備える新工場も建設しました。

クロノの構造はマスプロ向きのカム式を採用しておりますが、矢継ぎ早にいろんな新機構を開発しています。特に60分積算計を2個搭載したツインシックスティは素晴らしいものです(6時のインダイアルで、経過時間が何時間何十分と読みとれるし3時のインダイアルでは通常の60分計を併用)。他には1996年開発のスパシオグラフ、1995年のナビタイマーモンブリラン、エマージェンシー等が有名です。いろんな意味で目の離せないメーカーの一つです。

主な製品にはナビタイマー00(18KWG110万円)、500m防水を誇るヘッドウインド32万円、チタンケースのクロノ・アドベンチャー29万円、フライバック機能のナビタイマーヘリテージ42万円、1999年に結成された同社のプライベート・エアロパティックス・チームのオフィシャルのナビタイマーファイターズ 41万円、GMT機能搭載のクロノマットロンジチュート35万円等があります。

どのブライトリングも存在感のある大ぶりのケースの収められた腕時計で、非常に際立って押し出しの強い目立つ品です。他人との差別化をはかりたい人にはうってつけの腕時計と言えそうです。