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2007年01月21日

●第67話(時の流れとともに腕時計の人気も浮沈)

ここ数年のロレックスの人気はすさまじいものです。
ロレックスに非ずばスイス時計ではない感があります。

私がこの業界に入った頃は(約30年前)、ラドーとテクノスが圧倒的に人気がありました。どの時計店にもラドーとテクノスは店頭に飾ってありました。利益率(50%)が良かった為もあるでしょうが、デザインがその頃の日本人の好みにピッタリはまっていたのだと思います。日本におけるスイス時計シェアの50%は、この2社で独占していたでしょう。

そして、金銭に余裕のある、少し通の人がオメガ・ロンジンを買ってました。ロレックス・IWC・ナルダン等は、ごく一部の限られた裕福なマニアの人しか知らなかったのが現実でした。パティック・オーディマ・バセロン・ピアジェ等の4大宝飾時計は、過去の華族・貴族ぐらいの高貴な人々か、成金趣味の人しかおそらく持っていなかったでしょう。その事を思うと、日本人も財布の中身が随分、豊かになったとつくづく思います。

日本でラドーを大きく育て上げた酒田時計貿易は、独占販売権をスウォッチグループに譲らなければならない立場に置かれた為、看板・売上げカシラを失い、業績を悪化させ昨年倒産してしまいました。ラドーを日本で育てた酒田時計貿易の経営者は残念至極だったでしょう。もう一方のテクノスも今では吹かず飛ばずで、往年の元気は見受けられません。

ここ30年間で日本時計市場からほぼ消えていった懐かしいスイス時計メーカーを 列挙したいと思います。名前を見て懐かしく思われる中・高年の人は沢山おられると感じます。

・ホーガ…ベンラス両社の長短針のない数字で時刻を表示する時計
・チャンドラ…指輪時計にペンダント時計
・グルーエン社…アラスカ腕時計

ビューレン、キャミー、ミリオン、モンディア、チャンドラー、コロネーション、ハフィス、ハロックス、レオベ、パーロン、ビューシェ・ジロー、ドクサ、フレコ、イメージ、インビクタ、ジュベニア(エニカ、シーマは普及品の御三家と言われました)、ローヤル(過去には相当人気があったものです)、モットー、モバード(最近人気急上昇中)、チトニー、ウイラー、バルカン、エレクション、マルビン、モーリス、サンドーズ、フローラ、ヘルブロス、チタス、フォーチス(機械式リバイバルで最近人気が出てきました)等がありました。本当に時計も栄枯盛衰ですね。読者の方は、どのくらい知っておられるでしょうか。