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2007年01月21日

●第66話(スイス時計 ピアジェについて)

4大宝飾芸術時計メーカーの最後の一つ、ピアジェについてお話しします。

ピアジェは1874年、スイス・ラコートオフェにて創業しました。機械時計ムーブメントでは自社開発一貫生産のマニュファクチュールです。年間生産本数は2万本前後ですが、全ての腕時計のケースがK18YG・K18WG・PT等の貴金属を使用している宝飾高級時計メーカーです。

1946年には、厚さ1,34mmのムーブの手巻き時計を発売し、世界中の人を驚かせました。1960年には、厚さ2,30mmの極薄自動巻腕時計を発表し、世界で最も美しいムーブとして絶賛を浴び記録を残しました(上記の時計はK24金のローターを採用し、30石の類い希な腕時計でした)。外装ばかりではなく、ムーブメントも独自の素晴らしい物を製作し、他社時計メーカーにムーブを供給しております。

ミニッツリピーター、スプリッドセコンドクロノグラフ等の複雑腕時計シリーズ(グベナー)は1996年ジュネーブ・サロンで発表され人気を博しました。特にグランド・ゾネリ・ミニッツリピーターは、文字板上にハンマーが見えるという独特のデザインで、しかも厚さが6,8mmいう史上最薄の自社開発手巻き機械でした。

その他にも自社開発の見事な手巻きムーブや、超薄型自動巻腕時計を開発している、技術力の優れた誉れ高きメーカーです。エンペラドール(150万円)、プロトコール(90万円)、アルティプラノ(75万円) 等が近年喝采をあびております。

また、ヴァンドーム・グループの一員として、自社のムーブメントをグループの時計メーカーに供給し続けております。日本の輸入代理店は平和堂貿易で、いろんな大会の副賞として提供されていることで有名です。日本では知名度がもう少しと言うところですが、ヨーロッパの富裕層やハイグレードな人々には、ゴージャスさや、ラグジュアリーさで絶大なる人気があります。

最近、文字板・ブレスバンドにキュービック・ジルコニアをみっしり埋め込んだ、ピアジェの贋作品を弊店のお客様が知人とやらの紹介で購入された人が二人おられました。真贋鑑定の為にご来店なされ、よく見てみましたがなかなか精巧に作られてました。おそらく香港製だと思われますが、ムーブはシチズン・ミヨタのクォーツが入っていて吃驚しました。いくらで買われたのですかと聞いてみましたら、30万円以上出されてるので二度ビックリしました(本物なら1000万円以上するでしょうが、しかし30万円でも 偽物なら勿体ないですね)。