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2007年01月21日

●第62話(スイス時計 オーデマ・ピゲについて)

世界4大宝飾時計メーカーの一つ、オーデマ・ピゲ(ジュウ渓谷きっての名門老舗)についてお話し致します。創業は今から125年前の1875年、スイス・ルブラシュにおいて複雑時計を専門に製作していたJ・LオーデマとE・Aピゲの二人によって興されました。年間製作本数は現在15000本前後ですが、どれもが機能的で薄型で魅力のある物ばかりです。マイスターと呼ばれる熟練した時計職人の手作業によって一個一個丁寧に作られています。

オーデマ・ピゲは超複雑時計分野に於いて、他のメーカーを圧倒する品々を昔から開発発売しております。特に有名なものは、1889年パリ万国博覧会で発表された超複雑懐中時計「グラン・コンプリカシオン」で、クロノグラフ・ムーンフェイス・ミニッツリピーター・永久カレンダーを搭載しており、今日までずっと作り続けています。このタイプの自動巻腕時計リスト・ウォッチ・グラン・コンプリカシオン(超複雑にもかかわらずムーブメントの厚さは8,55mm)も開発しております。

その他代表的な物に、ロイヤル・オークパーペチュアル・スケルトン腕時計(780万円・SS/PTケース)、グラン・ゾネリ ミニッツリピーター腕時計(1800万円)、永久カレンダー腕時計(360万円K18ケース)、オーデマ・ピゲオートマティック・トゥールビヨン(990万円・K18ケース)等があります。

キャリバー2003のウルトラ・スリム(極薄手巻き腕時計)は傑作中の傑作で、直径20mm厚さ1,64mmしかありません。このタイプはスケルトンで出ている機種もあります。また、忘れてはならない超高額複雑腕時計にジュール・オーデマ均時差表示付きサンライズ&サンセット永久カレンダー腕時計があります。

最近では自社開発したムーブ3090を搭載したリーズナブルな手巻き腕時計を発売しております。正規輸入品ですと定価90万円前後しますが、並行輸入品ですとほぼ半額の50万円前後で購入出来ます。こういった高額腕時計をお求めになる方は正規輸入品を買う方よりも並行輸入品やスイスに旅行した時(チューリッヒ・ブッヘラー時計店等で)に買われる方の方が多いのではないでしょうか。

オーデマ・ピゲと言えば、パティック・フイリップとともに世界最高峰の双璧である事には誰もが異論をはさむ余地はないでしょう。私も名を聞いただけで痺れるような身震いがする孤高の時計メーカーです。