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2007年01月21日

●第7話(時計職人の育て方、今昔)

過去、名古屋に春芳時計学校(私設)・大阪に生野高等学校時計計器科(公立)がありました。現在では滋賀県に近江時計学校(私設)・東京にヒコみずの時計学校(私設)があります。どちらの学校も授業料が1年間に100万円前後、と高いです。
それにも関わらず若い人が学校の門をくぐり、時計職人の道を歩もうとしていることに、私は嬉しく思っています。私の若い頃は徒弟制度があり、卸商の紹介で高名な職人がいる時計店に入門したのです。腕のいい時計店主に仕えて朝から晩まで1日を共に暮らし、礼儀作法・言葉遣い・商売上のルール等を学びつつ、時計技術を基礎から無料で教わったのです。掛け時計・置き時計・提げ時計・腕時計・手巻き・自動巻・クロノ・複雑時計等を順次に教わるものでした。テレビ番組の取材では、どのような職人でも一人前になるには10~15年という話をよく聞きます。私はそれは間違っているような気がするのです。

教えを請う人が本気になって一生懸命に学ぼうという姿勢があれば、3年で超一流の時計職人になれます。マイスターという言葉の意味は「親方」という意味でもあります。日本では親方制度が無くなりつつあり、非常に寂しいです。もしこの制度が復活すれば、金銭的に余裕がなく、能力のある若い人でもこの業界に入って来られるのではないでしょか。

当店でも、将来的に弟子を育てたいという希望を持っております。
準備が整った時には、ホームページで募集する予定です。