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2007年01月21日

●第44話(クロックのムーブメントについて)

先日、N町のNさんというお客様の所にお伺いしたところ、居間の柱にセイコーソノーラという本打式のトランジスタ振り子掛け時計がかかっておりました。聞くところによると35年間一度も分解掃除しなくても正常に動いているとの事でした。5cm四方のコンパクトな機械でしたが、まさかここまで動くとはビックリ仰天でした。私もセイコーソノーラを何回となく修理したので、簡単で良い機械であった事を覚えていますが、ここ最近はほとんど修理していないものでした。改めて、さすがセイコー舎だと感心しきりでした。

セイコーコロナ目覚まし時計も何回も修理の耐えられるしっかりした地板の目覚まし時計でしたが、さすがにもう見かけません。今では骨董価値があるかもしれません。

その点、現在流行のからくり時計は何年使用に耐えられるか見物です。メーカーの人に悪いのですが、よくもって7年~10年が限界ではないでしょうか。おそらく10年過ぎれば修理不能でしょう。至るところにプラスチック樹脂を使っている為に、昔の時計のように30~40年も使えないものです。

昔のウェストミンスターチャイムのゼンマイ式置き時計や重鎮式のホールクロック置き時計も素晴らしい機械で、所有されている人は大事に残したいものです (どの国産メーカーも生産中止しています。もう二度と手に入らないでしょう)。