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2007年01月21日

●第37話(歴史上、最高の天才的時計師・ブレゲについて)

トゥールビヨン・巻き上げヒゲゼンマイ・上下振り子式自動巻ムーブ・永久カレンダー・レバー式シリンダー脱進機・ミニッツリピーターのゴングスプリング等、今日でさえ通用し利用されている仕組みを発明したブレゲは、1747年スイスのニューシャテルで生誕しました。彼こそが世界一の天才的時計師と断然しても誰も異論ははさまないと思います。ブレゲがこの世に出現しなければ、100年は時計技術の進歩は後れていたに違いありません。

彼の最高傑作(人類が作った最高傑作の時計と言い変えてもよいかもしれません)は、フランスのルイ16世皇后マリーアントワネットから製造依頼された懐中時計でしょう。1783年に注文を受け、出来上がるまで19年を要しました。しかし出来上がった時にはマリーアントワネットは処刑されてこの世の人ではありませんでした。

その懐中時計は、自動巻ムーブ・永久カレンダー・均時差装置・温度計・クロノグラフ・細分引打ち・チョウチンヒゲと補正天府、特別設計のレバー脱進機・中三針・ショックプルーフ等全てを搭載していました。ローターのプラチナ以外は全て金を使用していました。一塊の時計師として、現存しているこの懐中時計を一度は見てみたい物です。しかし、あまりの超複雑さに目が回るに違いありません。