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2007年01月22日

●続時計の小話・第15話(喜ばしい朗報)

一昨日、弊店にとって、とても嬉しいニュースが飛び込んできました。弊店の『時計技術通信講座』2003年度の生徒一人である静岡県K君が「信州・匠の2級時計修理士」に合格したというメールが彼から来たことです。

今まで5年間に24人の生徒を教えてきましたが、その中で東京都のK君と静岡県のK君が群を抜いて器用なので、将来性が期待できると思いその後、逐次教えてきました。その甲斐あって、この度、愛弟子のK君が見事合格した事は、私にとっても久しぶりに大変嬉しい出来事でした。

昨晩、彼と久しぶりに電話で話をしたのですが、勤務後も夜遅くまで実技の訓練に没頭したとの事で、その努力が実って、今回の資格取得と言う快挙をなし得たものと思います。(彼は昔の時計技術専門書を10万円以上の大金をはたいてオークションで落とした事を知り、彼の熱意が本物であると思いました。さらに腕を磨いてもらって、将来は弊店の高級腕時計修理を一部してもらいたいと思っております。)

彼と電話をしている内に、小生の若い時の事が、走馬燈のように目まぐるしく頭の中に浮かんで来ました。若い時は気力も体力も十分にあり、目標を設定したなら一直線に突き進めるという脇目もふらない熱い情熱があります。時計学校に入校して2~3年間、教えを請うという恵まれた選択肢もありますが、K君のように、小生から基本を4回教わっただけで、後は自力で勉学に励み、資格を取る事が出来るという道もあるという証明でもあります。

小生もCMW受験にあたり、加藤日出男先生から3~4回に渡り熱心に旋盤技術をご教授をして頂き、その基本技術の教えを忠実に遵守して、更に専門書で理論武装をして、わずか1年間の集中した勉強のお陰で 、CMW資格を取得出来ました。

世の中には時計学校に行けない逆境の時計職人の卵の人達も、沢山おられると思いますがK君のように基本をマスターして独学で時計技術の腕を伸ばせる事が可能だと知って貰いたいです。