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2007年01月22日

●続時計の小話・第14話(コラムホイ-ル方式7750ムーブメント)

スイス製メカ式クロノグラフのムーブメントと言えば、ETA(バルジュー)7750が有名で、おそらくスイス・クロノグラフ腕時計の90%以上は、このムーブメントを搭載されていることは、読者の方はご存じだと思います。

このムーブメントがこれほどまでに圧倒的なシェアを独占出来た理由には、修理調整がし易いのと、コストパフォーマンスに優れていて、安定した信用できる機械で汎用性が高いからでしょうか。

7750を基本として、派生的にいろんなムーブメントが誕生しています。

Cal.7751は、トリプルカレンダー・ムーンフェイズ機能を搭載し、
Cal.7753は、横目3カウンターのデイト機能付きで、リューズ操作は二段階方式です。カレンダーの早送りは、11時のプッシュボタンで操作するようになっています。
Cal.7754は、縦目3カウンター仕様で、GMT機能がついております。
Cal.7760は、7750の自動巻機構を取り外した、手巻きデイデイト・クロノグラフムーブメントです。
Cal.7765は、2カウンターの手巻きデイト付きクロノグラフムーブメントです。

上記の様にCal.7750からいろんなクロノグラフムーブメントが派生的に誕生して、スイスの多くの有名時計メーカーが、採用しています。 7750は、コラム(ピラー)ホイール方式ではなく、カム方式を採用している為に、オーバーホールや、修理調整が、し易いという最大の利点があったのですが、時計愛好家には、コラムホイール方式の様な、独特の動きが見えない為に、少し不満の残る点があったのです。

最近、その欠点とは言えない事ですが、7750のカム方式をピラーホイール方式に、新しく変更設計されたムーブメントをラ・ジュー・ペレ社(旧ジャケ社)が開発しました。この新ムーブメントを採用して、エベラール社がピラーホイ-ル方式7750クロノグラフ腕時計を、最近発売し出しました。(エベラール エクストラフォルト コラムホイール ビックデイト 682,500円)

この機械は、カム方式よりも動作が少し滑らかに動く為に、静かな人気が出てくるものと思います。写真で見た限りでは、コラムホイール方式7750の方がカム式7750よりも、若干見栄えが良い感じがしないこともないようです。(但しコスト面で割高になるのは致し方ないでしょうね)