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2007年01月22日

●続時計の小話・第5話(時計専門店のこれからの問題)

この時計・宝飾品・メガネの売上高ランキングや、対前年の 売り上げ増減を資料統計から見てみますと、 今後のこの業界の市場の動向が、少しは解ります。

メガネ専門店の、全国売上高2004年度ベスト5は、三城(644億円 1,041店舗)、 メガネスーパー(351億円 450店舗)、愛眼(258億円 317店舗)、 メガネトップ(211億円 334店舗)、日本オプティカル(154億円 151店舗) になっています。 宝飾品専門店、全国売上高2004年度ベスト5は、ミキモト(304億円 11店舗)、 田崎真珠(278億円 54店舗)、ツツミ(271億円 145店舗)、 あずみ(165億円 177店舗)、ベリテ・オオクボ(161億円 117店舗) になっています。 時計宝飾専門店、全国売上高2004年度ベスト3は、安心堂(50億円 8店舗)、 エバンス(43億円 2店舗)、天賞堂(31億円 2店舗)、になっています。

メガネ、宝飾品の専門店が、対前年伸び率が、『+』になっているにも関わらず、 時計宝飾専門店は、対前年伸び率が、10%前後の『-』になっています。 メガネ専門店が、ここ数年来の不景気にも関わらず、右肩上がりで、 業績が伸びてきた原因の一つに、多店舗化が容易に出来るという事でしょうか?

メガネ店は、時計宝飾品の専門店と比較して、小資本で店舗を開店する事が出来、新人社員教育も短期間で出来るという利点があります。 (米国では、誰もが眼鏡業界に簡単に参加出来る訳ではなく、 公的資格(オプトメトリスト)を取得しなければ、 眼鏡店を開業する事は、許されておりません。

日本では、公的資格制度が完備されていない為に、保健所に、 医療用具販売業届けを出せば、誰もが簡単にメガネ店を開業する事が 許されているという、安易な制度になっています。) 宝飾品専門店は、かつて物品税が15%かかっている為に、 所轄の税務署に物品税・販売業者届けを、 出せば、誰でも簡単に業界に参入する事が出来たのですが、 何せ、宝飾品は仕入れに多額の資金を必要とする為に、 誰もが参入出来るはずもなく、宝石の目利きも、数年に渡る修行が必要な為、 簡単には、開店におぼつかないのが、現実でした。

一方、時計専門店も資本金がかなり必要であるにも関わらず、 粗利がメガネ・宝飾品よりもかなり、少ない為に魅力が無く、 新規参入するのが、非常に難しい状況と言えます。 また、完全な時計店を運営する為には、常駐する時計職人が必要となり、 メンテナンスの設備にも多額な経費が要る為、多店舗化及び開業するのが、 非常に困難な業種と言えます。

3,40年前以上、日本全国のどんな小都市にも何軒かは、あったと思われる 仲間修理業(時計修理専門店)を、今日開業するにも工具設備機器等に最低でも、300万円前後かかる為に、なかなか難しい問題と言えます。

日本では、メガネと同じく、何ら資格を取らなくても開業しても法的束縛を 受ける事は、無いのですが、米国ではメガネと同じく、資格を取得しなければ、 時計修理業として、独立する事は、かなわないのです。 今後、消費者を保護する為にも、時計・メガネ業は米国の様に、 認可された資格取得した者のみに開業を許可する方向にいってもらいたいと、 思っています。