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2007年01月22日

●第293話(アンティーク・オメガのムーブメント)

アンティーク・オメガの程度の良いコンステレーションとシーマスターが、運良く入手出来ましたので、昨日と今日と2日間、この時計のオーバーホール・調整を致しました。
コンステレーションの方は、Cal.564 24石(33053626) 19800振動 直径27.9mm 1966年~1973年にかけて製造された、ムーブメントです。このコンステレーションの機械は、ローズ・ギルド仕上げで美しい金色の光芒を放っています。

Cal.564は、オメガ社の機械式自動巻ムーブメントの頂点に位置する、一点の曇りもない素晴らしい造り映えの時計です。緩急針もスワンネック型と採用しており、可動ヒゲ持ちと、ヒゲ受け・ヒゲ棒2本式の極めて優れた緩急針機能を持ち合わせています。私見ではありますがこのCal.564 はオメガ社の最高峰に位置する自動巻ムーブメントと思っております。

1970年前後は、どの時計メーカーに於いても、機械式腕時計のムーブメントは、最高度の物が作られていた時代です。当時の優れた時計メーカーは、天文台精度コンク-ルに参加したり、スイスクロノメーター歩度公認検定局(略称B.O.)に生産した時計を持ち込んで、クロノメーター合格品を市場に出していました。

その中で、オメガ社はB.O.検定に於いて、いつも1位の地位を独占しておりました。クロノメター生産個数も毎年17~8万個に達する、多くの数の高精度機械式腕時計を生産していました。2位の常連は、ロレックス社で、おおよそ10万個前後のクロノメーター合格品を誕生させていました。

当時の、他の有名な時計メーカー、ベンラス社(米国)、ジラールペルゴー社、ロンジン社、ゼニス社等は、3千~5千個前後であることを思えば、オメガ社とロレックス社、2社がいかに突出していたか、解っていただけるのではないでしょうか。それ程までに高級機械式と言えばオメガ社とロレックス社が名実共に寡占状態でした。

シーマスターCal.503 20石(17090778) 19800振動 直径28mm 1956年~1960年に製造

このムーブメントも、ほとんどのパーツを金色メッキ仕上げをした綺麗なムーブメントです。Cal.564と同じく、スワンネック型緩急針を持っており、アンティークに相応しいチラネジテンプを採用しており、ヒゲ持ちは三角柱固定式を採用しています。

Cal.564もCal.503も、全回転の両方向巻き上げ式を採用している為に、自動巻の巻き上げ効率が極めて良く、運動量の少ない方にも、良い定評がありました。両キャリバー共に、ヒゲ玉は従来のランドルト環形状のもので、現行のロレックスCal.3135の様に重力誤差を受けにくい形ではありませんが、ピンニングポイントの取り付ける位置を考慮している為に、立て姿勢の状態で、少し+(進む)方向に設計されていました。この頃のオメガ社のムーブメントは本当に惚れ惚れする機械です。