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2007年01月21日

●第279話(オメガ・シーマスター No、2)

オメガ・シーマスターの多種多様なシリーズの中で、過去に優秀なモデルが あったので、読者の皆様にお知らせしたい、と思います。メカ式アラーム機能付き腕時計と言えば、ジャガールクルトのメモボックス、 バルカン・クリケット、国産ではセイコー・ビジネスベルマチック、シチズン・アラーム等が、有名ですが、オメガにもシーマスター・メモマチック という腕時計が存在しました。

このメモマチックは、クロノグラフ製造で有名なレマニア社から、 ムーブメントの供給を受け、1970年からオメガ社で発売されました。このCal.980は、非常に精密度が高い機械で、アラームの開始時刻を設定された 1~2分の誤差以内でセットする事が可能でした。それまでのメカ式アラーム腕時計のアラーム時刻の正確さは、 3~5分が許容範囲だった事を思えば、いかにオメガのメモマチックが正確に作られていたか、解っていただけると思います。

当初のオメガシーマスターは、どちらかと言えば、薄型に作られていて、 その大きな要素にワンピース・ケース(ユニコック・ケース)が採用されていたからです。 このシリーズは、シーマスター・コスミックとネーミングされたりして、ビジネスマンによく似合うシンプルな時計として人気を博しました。

風防の外端周囲には、わずかなミゾが削られていて、 エクストラクター専用工具でいとも簡単に風防の取り外し、及び交換が出来ました。アンティーク・インターナショナルにも同じ様なワンピース・ケース方式が 採用されていて巻き真が中央で二本に別れる、ジョイント方式をオメガ社も採用していました。

シーマスターにも、クロノグラフモデルがありましたが、 セカンドモデルは、Cal.321を改良して、1968年にCal.861を搭載して、発売されました。 このキャリバーはレマニア社の著名な時計技術者・アルベール・ピゲ氏が 創り出したものでした。このムーブメントは、現行のスピードマスターにも引き続き伝承され、 今日でも最高のカム式クロノグラフ・ムーブメントとして歴史に名を残しています。この頃のシーマスター手巻きクロノグラフのデザインは、今でも通じる斬新なデザインでカラーを多く取り入れ、復刻版が出れば、オメガファンでなくても、 かなりの人気を得るものと思っています。

シーマスターの発売当初は、水深60M防水が基本性能でしたが、その後、シーマスター120や、シーマスター200、へと自然な成り行きで防水性能が 徐々に高まっていきました。ファーストモデルのシーマスターには、名機で有名な自動巻Cal.560番台(特に562,564,565)が搭載されていましたが、それ以降は、高振動の繊細なムーブメントCal.1002、1012、1020等が搭載されだしました。 1970年に発売された、シーマスター600プロプロフを遙かに凌駕する、 シーマスター1000Mプロフェッショナルは、1971年に発売され、オメガの最高度の超防水性能を誇る腕時計として、オメガ社の歴史に燦然と 輝いています。いろいろと書いてきましたがオメガ社の技術開発能力の甚大さには あきれるばかりでした。