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2007年01月21日

●第268話(ロレックス・チェリーニについて)

ロレックスにはチェリーニ【CELLINI】というエレガントな時計シリーズが紳士用・女性用共にあります。以前は手巻きが主流でしたが最近ではクォーツタイプもいろいろ販売されるようになり手巻きが煩わしいと思っている人には人気があるようですが、やはりロレックス・チェリーニと言えば男女共、手巻き腕時計が秀逸でしょうか。

チェリーニ【CELLINI】とは16世紀、イタリアルネッサンス期に彫金・鋳造で 天才的な仕事を成し遂げたジュエリー職人ベンベヌト・チェリーニを指します。

ギリシャ神話のペチス、ポセイドンをモチーフにして製作された現存する最高傑作 『サリエラ』は彼の才能を遺憾なく発揮した作品で後世に大きな影響を与えました。

高価な宝石を惜しむことなくちりばた超豪華な彼の作品は 『私の作った王のメダル一個で、城一つの価値がある』と言わしめたほどのものでした。全世界で高い名声を誇っているロレックスのシンボルでもある王冠のマークは、王を表わすとともにクラフトマン(工芸・時計職人)の5本の指を表わしていると言われていますが、創業者ハンス・ウィルドルフはベンベヌト・チェリーニを 意識してデザインを考案したのではないかと思っています。

ロレックス・チェリーニの手巻きムーブメントにはCal、1501 Cal、1601 Cal、1600等の19石の機械があります。テンプにはジャイロ・マックス方式を採用していて非常に優れた精度が出るムーブメントです。機械の何処を見てもロレックス魂が吹き込まれている素晴らしいムーブメントで あります。

手巻きと言えばパティック・フィリップの『カラトラバ』がつとに有名ではありますが小生の好みから言えば少し無理をすれば手が届くロレックス・チェリーニ手巻きの方に軍配を上げたい感じがします。ロレックス・チェリーニのユーズドでは18金無垢ケース入りで20万円前後で入手出来ることもありますのできめ細かにチェックすれば手にはいるのではないかと 思います。愛蔵品に一個所有していても決して損のしない逸品でしょう。