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2007年01月21日

●第27話(スイス時計メーカー:ジラールペルゴーについて)

いよいよ真打ち登場です。ジラールペルゴーと言うスイス時計メーカーをご存じの方は、本当の時計通と言えるかもしれません。年間生産個数は2万個ほどですが、極めて優秀な腕時計を矢継ぎ早に開発しています。

歴史は相当古く、1791年に創立し、1880年頃には腕時計を量産した世界最初の時計メーカーです。1882年にはトゥールビヨン脱進機の付いたムーブメントで、ニューシャテル天文台コンクールにおいて最高記録で1位になっています。前回お話ししたように、1860年頃には超高精度の船舶クロノメーターを開発もしています。

1966年には、世界に先駆けて10振動のハイビートの機械式腕時計を開発して発売しました。また翌年には、市販の高振動腕時計をニューシャテル天文台のクロノメーター検定で662個の時計を合格させました。この数字はこの年の腕時計の全合格総数906個の73%を占める素晴らしいものでした。天文台コンクールと言えば、普通はそのコンクールだけの為に設計し、卓出した技術者が時間をかけて特別調整したプロトタイプを出品するのが普通ですが、ジラールペルゴーは通常の量産された市販の腕時計を、わずか3人の調整者のみで出したのです。このことは、設計段階に置いて極めて高精度の出る設計がなされた証でしょう。また、1872年にトゥールビヨン脱進機の付いた懐中時計を製作したと言うことは、技術的に歴史のある時計メーカーであることを証明すると共に、スイス時計におけるジラールペルゴーの地位の高さを物語る物です。