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2007年01月21日

●第232話(記念の腕時計)

贈り物をなされる時、読者の方は、まず第一に何を贈ったらいいか?といろいろ悩まれ何を浮かぶでしょうか?会社の創業何十周年記念とか、結婚25年記念とか、大きな節目の時には、腕時計を贈られる方がとても多いと思います。弊店のHPを立ち上げてから、色々な方々から、お父さんや、お祖父さんから何かの記念に貰った腕時計の修理依頼が舞い込む事を考えれば、そういう個人の記念碑的な思い出の籠もった腕時計が沢山とあることでしょう。また、お父様が退職記念に会社から、また勤続30年記念として頂かれたりした腕時計や、勤続何十周年記念として腕時計を会社から頂かれた報償・記念の腕時計の修理依頼も時折きます。おのおの、人達が持っておられる腕時計には、個人の歴史が籠もった腕時計がさぞ多い事でしょう。

先日、12月28日のNHK衛星放送を見ていましたら、『永遠のヒーロー 石原裕次郎』という、番組が放送されていました。その中で、石原まき子夫人が、非常に大切に肌身離さず大事にされている腕時計が2本紹介されていました。

一昨年の秋に、小樽市にある『石原裕次郎 記念会館』を訪れた時に、裕ちゃんが普段から愛用していた腕時計が、10本以上ショーケースに陳列されていました。まき子夫人が東京の自宅に今も大切に保存されている腕時計は、これらの小樽にある時計ではなく、まき子夫人が裕ちゃんに最初のプレゼントとして、贈られた品でした。それは『OMEGA 角形手巻き腕時計(センターセコンド方式ではなく、インダイヤルセコンド方式)』でした。もう一個は裕ちゃんが、まき子夫人に初めてプレゼントされた『オーデマ・ピゲ 手巻き腕時計』でした。この時計は裕ちゃんが初めてヨーロッパ旅行をしてきた時のおみやげだと、まき子夫人は語っておられました。人それぞれに、他人には想像を絶する大切にされている腕時計があるものだとこの番組を見てしみじみ思いました。

石川県に某ベンチャー企業があります。この会社は、0.5mm角の超小型チップを開発した、技術集団の企業です。(この超小型チップは、紙に埋め込めるのが可能なので、パスポートや紙幣の偽造防止などにも将来採用される見込みがある次世代技術として、脚光を浴びています。)

マレーシアの当時のマハティール首相が、国家プロジェクトとしてこのチップを採用する事を決め、昨年4月全くのお忍びで石川県の会社に訪問されたそうです。その時、マハティール首相から、高級腕時計『L』・『P』が記念品として贈られたそうです。

心の籠もった何十年にも渡り残る贈り物には、腕時計が一番相応しいものかもしれません。