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2007年01月21日

●第224話(技能競技大会について)

全時連(全日本時計宝飾眼鏡商業協同組合連合会の略)主催の『第16回時計技能競技:全国大会』が10/17日、滋賀県大津市の近江勧学館(神宮町 1- 1)で行われました(大津市で行われたと言うことは大津にある近江時計眼鏡宝飾専門学校が長年に渡りすぐれた時計技術指導を行ってきて、この業界に沢山の人材を輩出してきた事への裏付けです。)16日に開会式、17日に競技試験が実施され、18日に表彰・閉会式が滞り無く行われました。

競技試験は第一部門と第二部門に別れていて、第一部門(7時間)はメカ式自動巻及びクォーツの修理調整、第二部門(3字間30分)はクォーツのみの修理調整の試験です。あらかじめ不具合ヶ所が作ってあり精度要求に従い修理・調整する実践的な試験です。遠くは東北や九州からも大津市に集まり、第一部門は24人、第二部門には14人の受験生がいました。年齢構成は20才代~40才代の人々が挑戦しました。

メカ式の試験教材は海外生産モデルのセイコー自動巻デイデイト(Cal.7S26)で、クォーツの試験教材はセイコー(Cal.7T32)のタイプでした。学科試験・部品(天真・巻真)製作の旋盤作業・天真入替・ヒゲゼンマイ合わせ等がある総合的な技能試験ではなく、若い人の腕試しには丁度良い試験だと思います。

第一部門はE氏(シチズン時計)が優勝し、2位はS氏(大阪セイコーサービスセンター)、優秀賞はS氏(盛岡セイコー工業・高級メカ工房部)。第二部門はH氏(船引精密)が優勝し、2位はB氏(近江時計眼鏡宝飾専門学校生徒)、優秀賞はY氏(セイコーサービスセンター・グランドセイコーSS)でした。

こういう競技大会は時計メーカー、サービスセンター、時計専門学校生徒の若い受験生が多いのですが、もっと時計店の修理担当の若い人々も積極的に受けるべきではないかと思いました。受験する意志を持ちますと一生懸命短期間に集中的に勉強するために飛躍的に腕が上がるものなのです。