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2007年01月21日

●第3話(腕時計の電池交換について)

最近、当店で電池交換をされるお客様の中に「今まで正常に動いていたのに他店に電池交換を依頼したら止まってしまった」と苦情を言われるお客様が店に数人来ておられます。そういうお客様の時計を開けてみると、ゴミとかケースのサビが機械の中に入り込んでいたり、駆動コイルが切断されている為に故障の原因になっていたりしています。

おそらく、ケースの裏蓋を開ける時に、最初にワイヤーブラシでサビとゴミを落とし、毛ハケで細かいゴミを取り除かないで蓋を開けているのが原因だと思います。こじ開け式の裏蓋の場合は更に注意する点があるのです。こじ開け機で勢いよく蓋を開けようとすると駆動コイルを切ってしまう恐れがあるのです。

簡単な修理のように思われますが、電池交換も細心の注意と技術が必要なのです。
当店では電池交換した後にはパッキングにシーリンググリスを塗布し、リューズ受けには防水用のグリスを塗ります。それによって、低下した防水機能が回復されるのです。今では時計技術者が大変少なくなり、店によっては未熟な人が安易に電池交換をする為に、このような苦情や故障が増えつつあります。電池交換でも確かなお店でされることをお勧めいたします。