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2007年01月21日

●第199話(シチズン・ホーマーについて)

セイコーロードマーベルに対抗する、シチズン手巻き腕時計の名機がCal.020のシチズンホーマーです。ホーマーはムーブメントの直径が 25.6mm、圧さが4.0mm、振動数はロービートの18,000振動です。この基本的ムーブメントCal.020から派生的に沢山のシチズン手巻腕時計が誕生しました。それらをここで紹介します。

・基本Cal.020搭載は『ホーマー』、『マリーンスター』、『シチズンタイム』 

・Cal.0270搭載は『ヤングホーマー』、『キンダータイム』、『リズムタイム』
リズムタイムは2003/4/10に福岡県のT様から修理依頼受け、OHをしました。40年以上経過しているのも関わらず、非常に調子のイイ時計として蘇りました。

・Cal.091搭載は『クリステート』、『クリステートデラックス』、

・Cal.092搭載はキングセイコーに対抗して誕生したシチズンの中級機種『クロノマスター』この時計は2003/3/19に東京のT様から修理依頼受け、OHをしました。さすがにKSに対抗して生産した機種で高精度が四十数年ぶりに見事に復活しました。
 
・Cal.093搭載は『クロノマスタースペシャル』

・Cal.180/184搭載はデイト機能付きの『ホーマーデイト』
 デイト付きは厚さが4,5mmになります。

・Cal.181搭載は『ホーマーウィークリー』

・Cal.183搭載は『ヤングデイト』、『リズムデイト』

・Cal.185/186搭載は『スーパーデラックスデイト』

・Cal.187搭載は『クロノマスターデイト』

・Cal.3000搭載は『シャイン』

これらのホーマー仲間のムーブメントは、パラショック(テンプ耐震装置が全機種に採用され、19石以上の時計にはプロフィックス(保油装置)が採用されています。このホーマーは、第1回一級時計修理技能士試験の実技に試験課題として用いられました。それほどこの時計は低価格でありながら、時計職人の腕前によっては高精度に仕上げることが出来る安定した優れた時計でした。一つの基本ムーブメントから、これほど沢山の時計の種類が派生的に生まれることが、読者の皆様にはわかっていただけたと思います。今までセイコーの名機ばかりを取り上げてきましたが、これからは逐次、埋もれたシチズンの名機も紹介していきたいと思います。