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2007年01月21日

●第176話(ドイツ産の他の腕時計メーカー)

1.ジャッケ・エトアール
1996年、時計職人クラウス・ヤコブ氏がローラハに創業した時計メーカーです。アンティーク・クロノムーブメントを搭載した古風溢れる腕時計作りを目指しています。

2.クロノスイス
1981年、ゲルト・アール・ラング氏がミューヘンに創業した新興時計メーカーです。
優秀なマイスター時計職人を集め、トゥールビヨン・ムーンフェイズ・レトログラード・スプリットセコンドクロノグラフ等のコンプリケーションを生産していて技術力に優れています。

3.ジン
クロノグラフで有名なジン社は1961年、ヘルムート・ジン氏がフランクフルトに創業した時計メーカーです。搭載するムーブメントは、バルジュー7750とレマニアの機械を採用しています。

4.ハンハルト
古参の時計メーカー・ハンハルト社はウィルヘルム・ハンハルト氏が1882年、グーデンバッハで創業しました。かつてはドイツ海軍にも公式採用され、第二次世界大戦後、ドイツ・フランス空軍にも採用された信頼できる時計づくりをしている時計メーカーです。ミリタリー調なので、やはりクロノグラフが多いです。デザインもほとんどアンティーク調に作られているので、オールドファンに大変人気があります。 今後、日本で人気が出る腕時計だと思います。ムーブはETA7750がメインです。

5.ミューレ・グラスヒュッテ
ロベルト・ミューレ氏が1869年、グラスヒュッテで創業した時計メーカーです。ノモスと同じく、バウハウスの精神を取り入れた優れたデザインの物が多いです。


他、忘れてならないドイツ時計メーカーに、ユンハンス社があります。ユンハンスはどちらかと言えば、クロックメーカーとして名をはせました。創業は古く、1861年までさかのぼることが出来、20世紀初頭には世界最大規模の時計工場を擁していた確固たる時計メーカーでした。最近は腕時計にも力を入れ、割とリーズナブルな価格の商品を開発して、人気を博しています。

その他には、1998年創業のマーティン・ブラウン、1987年創業のオティウム、1997年創業のヨルク・シャウアー、1997年創業のテンプション、ソーティス等の新興時計メーカーがあります。

最近、異業種から時計産業に参入したメーカーが現れました。万年筆等の筆記用具メーカー・モンブラン社です。個性的なクロノグラフを発売し始めました。マーケティングがしっかりしていれば、時計産業がいかに利益が出る業種であるか、ドイツ新興時計メーカーを見ればわかっていただけると思います。