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2007年01月21日

●第168話(20~30万円台の名機)

ありがたい事に、小生の『時計の小話』を読まれている読者の方から、よくこんな問い合わせのメールが来ます。「メールマガジンを読んで機械式時計の魅力にとりつかれました。予算が2~30万あるのですが、貴殿は何の腕時計をお薦めですか?」という問いです。

2~30万もあると、良いスイス時計メーカーの腕時計がいろいろ買えますし、国産のグランド・セイコーも買える範囲です。皆さんがあれやこれやで悩まれるのは致し方ないと思います。

メーカーブランド名に惚れ込む人もいるでしょうし、それよりもデザイン第一主義で選ばれる人もいるでしょうが、私はCal.3135を搭載したROLEX・デイトジャストをお薦めしています。

何故このROLEXを薦めるかと言えば、Cal.3135はROLEXの代表的な機械で、作りが最高の出来栄えなのです。30万円台で一点の非の無い機械式腕時計が買えるのです。ヒゲゼンマイは高級腕時計の代名詞・巻き上げブレゲ・ヒゲゼンマイを採用し、緩急針の無い替わりに2種類の天輪に取り付けてあるマイクロステラ(ミーンタイムスクリュー)で日差1秒あるいは2秒の微細精度調整がいとも簡単に一目盛動かす事により出来るのです。

地板・歯車・ネジ・バネ…どれをとっても欠点が見つけられなくて、いつもOHする時に感動しながら作業が出来る機械なのです(この機械を入れて何でこんなに安いのか?と)。最初に機械式時計を買われる人は、まずデザイン・メーカー名より中の機械を重視して買われると、決して失敗しないと思います。

20万円代では、Cal.3000を搭載したROLEX・エアキング等があります。この機械はCal.3135と違って平ヒゲゼンマイですが、他の構造はCal.3135と何ら遜色の無い素晴らしい機械です。

いろんな時計を見てきましたが、30万もするのに、何故こんな機械を入れてこの価格で売るのか疑問に思うスイス時計メーカーが多々あります。読者の方はいろんな雑誌の風評にとらわれる事無く、確かな時計を買って頂きたいと希望します。【次回の『時計の小話』はROLEXを既にお持ちの方に、 ROLEX以外のお薦め機械を紹介致します】