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2007年01月21日

●第154話(現存するスイス・エボーシュメーカー)

スイス・エボーシュメーカーではダントツにETA社が有名ですが、他にも素晴らしい技術力を誇るエボーシュメーカーがあります。代表的なものに、フレデリック・ピゲ社、ヌーベル・レマニア社、ケレック社(このメーカーのみケレックのブランドで腕時計を販売しています。日本総代理店は栄商会でクロノグラフに強いメーカーです)でしょうか。

フレデリック・ピゲ社はブランパンにムーブメントを供給しています。フレデリック・ピゲ社の協力なくしてはブランパンの見事な復興は有り得ませんでした。フレデリック・ピゲ社は19世紀半ば創業の150年以上の歴史ある著名な時計ムーブメントメーカーです。一般の方にはあまり知られていない時計会社ですが、業界では高度な技術力を保持し続けた伝統ある会社として知れ渡っています。工房はブランパン社の隣に立地しています。

フレデリック・ピゲ社の主なムーブメントを一部紹介します。
 Cal.1185…自動巻きクロノグラフ、直径25.6mm・厚さ5.4mm
 Cal.1150…デイト機能付き自動巻き
 Cal.1153…二つの香箱を装備した100時間駆動の自動巻き、
        直径25.6mm・厚さ4.9mm
 Cal.21…時分針のみの手巻ムーブメント、直径20.4mm・厚さ1.73mm
 Cal.6.10…レディース用の手巻きムーブメント、直径15.3mm・厚さ2.1mm              (このムーブメントを自動巻きにしたのがCal.150です)

スウォッチグループのレマニア社は、同じく復活したブレゲ社やオメガ社に機械を供給しています。ブランパン社の復活と同じように、ブレゲ社もレマニア社の協力がなければ復活は有り得ませんでした。レマニア社はカルティエにもムーブを供給しています。ブライトリング社と仲のいいケレック社は、ブライトリング社の傘下に入りました。これからもいろんな資本の統廃合がスイス時計業界には繰り返されていくに違いありません。