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2007年01月21日

●第136話(何と言っていいやら No.1)

最近、こんなひどいことが連続してありました。

その1、
一昨年の秋、店を手伝っている娘Y子の京都の短大時代の仙台の友人Iちゃんが石川県に遊びに来て、弊店にてシチズン・クロスCを気に入って買っていただきました。
今年2月に電池切れで止まったので、仙台の大手スーパーJに出店している時計店に出向き、電池交換を依頼したそうです。そこの店では直ぐに電池交換が出来なかったので、預かって下請けの修理専門会社(F・・・)に出すということで時計を預かったそうです(簡単な電池交換も預からなくては出来ないという時計店も存在するのですね。情けない話ですが)。

そうしたら、暫くして電池交換しても動かないから分解掃除(修理代7000円)をしないとダメだという連絡が店からIちゃんに入りました。それまで正確に動いていて、電池交換に出した途端、壊れるなんて不思議に思ったIちゃんは、仙台から当店に電話をかけてきました。当店も販売した手前、たとえ1年過ぎていても、それなりの保証しなくてはならないために、石川の方に腕時計を送ってもらいました。

裏蓋を開けてみて吃驚しました。コジアケでケースを開けるときにミスの作業をして、電子コイルを切断しているではありませんか(シチズンにもケースの設計ミスと思われる点もありました。裏ブタのこじ開けるところの印のミゾの近くにコイルがあったのです。普通は反対側にあるのですが)。

自らの作業ミスを棚上げにして修理代をお客様に請求するとはたまげました。さっそくIちゃんに電話をして仙台の大手スーパーJに出店している時計店に強く抗議するように伝えました。Iちゃんは仙台の時計店に出向き抗議したところ、店の店員が下請けの修理門会社に電話をして、修理専門会社の職人が渋々、作業の失敗を認めたということでした。コイルを無料で交換するという事で一件落着して、時計を仙台に送り返しました。

その2、
金沢市内のお客様がクォーツが突然止まったので、K市内にあるD百貨店の時計売場に電池交換の依頼に行きました。そうしたら、そこの販売員さんがオーバーホールをしないと動きませんというのです。舶来品でしたので2万円以上はみて下さいと言われたそうです。

そこでそのお客さんは当店の雑誌の記事を思い出し、D百貨店の時計売場に修理依頼せずに時計を持って当店に来られました。さっそく見てみますと、単なる電圧低下による止まりと判明し、電池交換(900円)で正常に動くようになりました。

百貨店も売上げダウンを何とかしたいためにいろんな方策を練っているのでしょうが、これはいただけませんよね。

その3、
N町のお客様が持っている2個のオリエント腕時計のガラス縁の接着剤が乾燥萎縮して紐状になり、文字板の中央部に張出し、その為に針が引っかかって止まるという故障の修理を近くの時計店に持っていきました。そこの店主はこれは分解掃除をしないと直らないと言ったそうです。修理料金はOH代金3000円で2個で6000円と言うのです(クォーツのOHは機械式と違って易しいとは言え余りにも安すぎますよね)。

そこでそのお客様はゴミみたいな物が引っかかっているだけでそれを取り除けば直るのではないかと素人判断して、当店に持ってこられました。当店はガラスを外して古い接着剤を取り除いて、再度接着して修理しました。料金は2個で3000円頂戴しました。肝に銘じて恥ずかしくない仕事をしたいと思った今日この頃の出来事でした。