« 第127話(高級スイス腕時計の価格について) | | 第129話(以前の時計店店頭の風景) »
« 第127話(高級スイス腕時計の価格について) | | 第129話(以前の時計店店頭の風景) »
2007年01月21日

●第128話(ロレックスの珠玉のムーブメント達)

昔から変わらず現代まで素晴らしいムーブメントを作り続けた希有な存在の時計会社がロレックス社です。世界中の時計ファンから圧倒的な支持を獲得してきた大きな原因の一つが、時代時代に於いて一分の隙のない機械をたゆまず作ってきたからなのです。アンチ・ロレックスの人も、これは認めざるを得ない事実なのです。

『ロレックス』と言えば時計ブランドとして知名度は絶大なものですが、私から言わせれば、中に内蔵している素晴らしい機械を作ってきた『ムーブメント』メーカーとしてのブランドとしてこれからも有名であって欲しいと思っております。

マスコミの寵児になっている、あるアンティーク・ショップのオーナーが「昔のアンティーク腕時計の方が現行の機械より採算を度外視して作ってあり、耐久性・精密度も上を行くものだ。」と言っておりますが、これはアンティーク腕時計を売るための虚言・方便であり、事実はそうではありません(確かに一部ではアンティーク腕時計に優れた物がありますが。利潤を追求するのが企業であり、採算を度外視して作った時計などは、この世には存在しないのです。そういうことをしていたらその企業は存続していけなくなるでしょう。一部に趣味的に作ってきた小時計企業もかってはあったかもしれませんが)。そうではなくて、ロレックス社の機械は絶えず進化してきたのです。

私の見る限り、現行のロレックスのムーブメントはどれもが現時点では最高峰の出来映えなのです(今後も更に少しずつ改良を加えながら進歩していくに違い有りません)。

ここでロレックスの機械の栄光の歴史を追ってみましょう。

<メンズ用自動巻キャリバー>
・Cal、A260 A296・・・1940年代(セミバブルバック)

・Cal、1030・・・1950年代(完全な両方向巻き上げ自動巻機構)

・Cal、1520・・・1960年代~80年(19800振動に進化)

・Cal、1530・・・1960年代前後(サブマリーナー等に多く搭載)

・Cal、1560・・・1960年代(それまでの緩急針調整からマイクロステラ方式に転換。微調整作業が簡略化)

・Cal、1570・・・1970年代~80年(スポーツモデルに搭載されたロングラン・ムーブ。26石)

・Cal、3000・・・1990年代(片持テンプ受け。28800振動に進化。現行品は殆どが28800振動を採用)

・Cal、3035・・・3000番のデイト機能付き

・Cal、3130・・・現行(テンプ受けがツーブリッジ方式)

・Cal、3135・・・現行(現時点では最高傑作。31石。1030、1520よりも数段進歩しています)

・Cal、3085・・・1980年代(3000番のGMT・デイト機能付き)

・Cal、3185・・・1983年~現行(テンプ受けがツーブリッジ方式に変更。31石 )


<レディス自動巻キャリバー>
・Cal、1120・・・直径20mmのオートマ、19800振動

・Cal、1160・・・直径20mmのオートマ、19800振動

・Cal、2130、2135・・・現行(28800振動。29石)

<手巻きキャリバー>
・Cal、1130・・・19800振動、直径20,00mm

・Cal、1166・・・19800振動、直径20,00mm

・Cal、1210・・・18000振動、直径23,80mm

・Cal、1225・・・中3針、18石、18000振動、直径23,80mm

・Cal、1600、1601・・・直径20,80mm、2針、19800振動

・Cal、2316・・・ロレックスとしては手巻きでは最高傑作か

<クロノグラフ・キャリバー>手巻き
・Cal、72B・・・1960年代(ベースはバルジュー72。18000振動。17石)

・Cal、722-1・・・1960年代(ベースはバルジュー72。18000振動。17石。ヒゲがテンプにからむのを防止するプレートを採用)

・Cal、727・・・1960年代~87年(21600振動。20年間使用された安定したムーブ)

<クロノグラフ・キャリバー>自動巻
・Cal、4030・・・1988年~2000年(ベースはゼニス・エルプリメロ400。28800振動。31石)

・Cal、4130・・・2000年~現在(パワーリザーブは52~72時間に延びる。完全自社開発キャリバー。4030とどちらが優秀か評価するには、後10年の時間が必要でしょう)

読者の方が所有しておられるROLEXがどのキャリバーを搭載しているのか知っているのも イイかも知れません。これからも改良に改良を重ねて、益々ROLEXは止まることのない進化を続けるものと確信いたします。