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2007年01月21日

●第119話(ROLEXの唯一の弱点)

世界第一級の堅牢さを誇るROLEXのケースにも少しは弱点があります。

完全防水のオイスターケースにも泣き所が存在するのです。防水機能が万全なはずの、ロック式リューズネジの箇所です。時折、ケースとのつなぎめのチューブのネジがゆるんでしまい、ケースから外れるという故障です。

原因は、汗をよくかく夏の時期に起こりやすいです(9月から10月にかけて修理依頼がけっこう多いです)。はずれた状態ですと、水はいっぺんにケースの中に入り込みます。そうなると一刻も早くOHしないと全体にサビがまわり、ダメになってしまう事があります。

ムーブメントが正確なために、1ヶ月近くも針合わせのリューズ操作をしないと、ネジで噛み合うリューズとチューブが夏などの時期に埃・チリ・汗等でサビが生じ、ひっついて動かなくなってしまうのです。引っ着いたまま、力一杯リューズを回すと、リューズとチューブが着いたまま廻り、ケースに埋め込んであるチューブのネジがゆるんでしまうのです。もうこうなれば防水機能は一切ききません。

その故障を防ぐ為には、時折ユーザーの方の自己点検が必要です。それは技術のないお客様でも簡単に出来ますので、たまにはして欲しい作業です。

リューズをゆるめゼンマイが巻ける状態の位置にリューズを置き、乾燥した歯ブラシや爪楊枝で、チューブのネジ山の部分のゴミ・サビ・チリ・汚れを取り除く事です。最後に時計専用工具ブロアブラシで仕上げれば完璧です(パッキングがあっても油断大敵です。リューズ下向きの位置でしますと、ホコリ・チリ等が機械の内部には入り込みません)。理想的なことは定期的にROLEX・チューブ専用の白色シリコン油を塗布すれば最高です(チューブとリューズが引っ着くのを防ぎ、リューズ回しを滑らかにします)。技術の確かな店には白色シリコン油ありますので、リューズ作動が固くて懸念のある方は塗って貰って下さい(他店でお買い上げのROLEXでも良心的な店なら無料でしてくれると思います)。防水機能の肝心要のチューブ交換手数料は5000円かかります。