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2007年01月21日

●第120話(アンティーク・ウォッチの上手な買い方 2)

アンティーク・ウォッチの上手な買い方は、以前時計の小話で書きましたが、まだ理解されていない方がおられますので、重要な事を述べてみます。最近買われたアンティーク・ウォッチの修理依頼が舞い込みますが、どうしてこんなに状態の悪い品を買われたのか疑問に思うときが頻繁にあります。最低限チェックして欲しい事がありますので、よく読んで頂きたいと思います。

・購入する予定のアンティーク・ウォッチが決まれば、店の人に頼んで必ず機械を見せて貰いましょう(ホコリが入るからってと言って快く見せてくれない店では買わない方がイイと思います)

・高級アンティーク・ウォッチを買う人は、あらかじめキズミ位買って、準備して店へ行きましょう(キズミは時計材料店で500円~800円位で買えます)

・平姿勢(文字板上・文字板下の2通り)でゼンマイを半巻きして、テンプの振り角の様子を見て下さい。振り角(180度以上必要)がほぼ同じならどうもないのですが、一方がガタッと落ちるようでしたら、一方のホゾの曲がり、ホゾの摩耗・ホゾ折れが考えられます。この場合、いかに外観が良くても天真交換等の修理が必要になり、高額修理になります。

・また、リューズを下にして縦姿勢でもテンプの動きを十分見て下さい。平姿勢と同じような振り角があれば問題ないと思いますが、極端に振り角が落ちたら買わない方が賢明です。

・機械時計ではサビが一番の大敵ですから、地板・ネジ・ケース内側・歯車のカナ等が赤錆していないか、キズミでよく見てみましょう。後々後悔しないためにも充分な配慮が必要です(売買成立してしまえば後は自己責任ですから)

最近、佐賀県の読者の方からMoeris腕時計17石・手巻き腕時計の修理依頼を受けましたが、数十年前のアンティークにもかかわらず、ムーブメントは非常によい状態で新品に近くまで機能は回復しました(アンティークの味は出ていますが、外観はかなりくたびれているのが残念でした。HPに載せています)。