« 第205話(シチズンレオパールについて) | | 第207話(オメガ30mmキャリバー) »
« 第205話(シチズンレオパールについて) | | 第207話(オメガ30mmキャリバー) »
2007年01月21日

●第206話(シチズンレオパールについて No.2)

前回お話した、シチズンCal.77の姉妹ムーヴメントに、Cal.72、74、76があります。Cal.72にはレオパール(21,600振動・ 6振動)、レオパール8(28,800振動・8振動)、レオパール10ハイネス(36,000振動・10振動)セブンスターV2(21,600振動)等がありました。

Cal.74には、レオパール10ハイネス(36,000振動振動)、オートデイター740(21,600振動)、Cal.760にはレオパール8 (28,800振動)がありました。その中で、Cal.722、728は日付・曜日が午前零時に瞬間的に変わる、日・曜・瞬間送り装置付きでした。

これらの全てのCalは手巻き装置がついており、片振り修正装置、パラショック(耐震装置)、プロフィックス(保油装置)、三角ヒゲ持ち、ヒゲ両アテ方式、等が装備している高級機種でした。特に、ゼンマイが入っている香箱車には特殊な加工が施されてありました。香箱内側の壁にタテ溝をつけた為に、スリップトルクの安定性が高まり、トルクの変動率が小さくなり、ゼンマイの耐久性が向上しました。優れた香箱車の為、数年間無給油で初期特性を保ち、分解・洗浄・給油の必要がありませんでした。

これは、グランドセイコーVFA6185Aの方式に似ている方式でした。ですが、10年以上経過すると、どうしても香箱に油を注油しなくてはならない時、香箱のフタが、なかなか開けにくいという欠点も持ち合わせていました(メーカーでは香箱一式を交換するやり方を薦めておりました)。

今では、日・曜瞬間送り機構はROLEXデイトジャストの代名詞の様に思われますが、30年前以上昔にもセイコー・シチズンは、このような機構を既に独自の方法で取り入れる程の技術力を、保有していました(現行のメカ式GSには日・曜瞬間送り機構を是非採用して欲しいと思っております)。

現在のシチズン社の方向は、エコドライブ(光を電気エネルギーに変換して駆動する時計)、電波時計(標準時刻電波を受信して、自動的に正しい時刻を表示する時計)に特化している様ですが、かつては優れた機械式時計を矢継ぎ早に輩出した時計製造メーカーでした。シチズン社も今後、新規に機械式時計を開発・発売しなければ、世界の時計産業の潮流から取り残されてしまう懸念があると、思っております。