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2007年01月21日

●第158話(初代グランドセイコーNo.2)

5月19日、修理実績に初代グランドセイコー(Cal.3180 25石 手巻き)を載せて以来、全国の読者の方から、同じ初代グランドセイコーの修理依頼が当店に多く来るようになりました。ホームページを開設するまで、この初代グランドセイコーのOHの機会は7~8年に1回くらいしかなかったので、さすがインターネットの力はすごいなーと感じます。

そして、セイコー舎の熱烈なファンが世の中にまだまだ沢山おられる事に驚嘆しています。そう言う私も精工舎の機械の熱烈なファンの一人でもあるのですが(それと比較してシチズンのGSにあたるグロリアス・シチズンの修理依頼が1個も来ないのにはどうしてでしょうか?やっぱりGSのようには沢山売れなかったのかなーと思ったりしています)。

1960年に発売されて以来40年以上を過ぎているにもかかわらず、分解掃除調整をすると、見事に動き出し精度が蘇るのには驚きます(やはり手巻きは長寿命ですね)。各種歯車の素材強度や、歯車・天府等を大きめに設計している為や、ホゾ(心棒)を太めに作っている為に、へたる(磨耗)事なく、長年の使用に耐えられる構造になっているものと推測します。そのころの諏訪精工舎・腕時計設計技師の技量に拍手拍手です(私はどちらかと言うとCal.45系、 5146A、5206A等を製造してきた第二精工舎の方の機械の方が好きでした。諏訪精工舎の機械は組み立て調整がし易い明瞭簡単な設計ですが、第二精工舎の方の機械はあえて言うと通好みの機械と言えるでしょうか?。)

現セイコーウォッチ(株)のM社長は、この初代グランドセイコーを現在、所持愛用されているそうです。営業マンであった若い時、この時計を全国の時計店に売りまくったそうですが、とても高くて自分では買えず、羨望の対象としてしか眺められなかったそうです。今になってやっとその夢が叶い、初代グランドセイコーを入手して、腕に時折はめられているそうです。

でも腕につけることが恐れ多くてなかなかはめられないそうですが(当時のGS価格は¥25,000円、大卒初任給の2倍の高級時計でおいそれと買える時計ではなかったのです。現在の価格にすれば35万円以上でしょうか?不思議と今のメカ式GSの価格と符号しますね)。