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2007年01月21日

●第18話(国産メーカーについて 4)

◇オリエント時計
オリエント時計は、今の若い人にはなじみのないメーカーかもしれませんが、 中高年の人には懐かしい響きを持ったメーカーだと思います。

古い歴史を持ったオリエントは創業は明治時代にまでさかのぼります。明治30年に吉田時計店から出発し、大正時代に東洋時計製作所になり、昭和時代に東洋時計の日野工場ができ、その工場が昭和26年にオリエント時計(株)として、 社名を変更したのです。

手巻き腕時計は基本的に17石、自動巻腕時計は24石の穴石・受石があります。しかし、消費者がルビー石が多く内蔵されているムーブメントほど高級腕時計だと感じている頃、オリエントは約50石入り腕時計・約100石入り腕時計を発売して、一時話題になりました。その時、父も仕入れて、私もその時計の機械の中身を見たのですが、とてもビックリしました。なぜなら、穴石・受石として使うルビー石が、機械とは全く関係のない装飾用としてムーブの側止め用リングに埋め込まれていたからです。しかしとても美しかった記憶があります。

多種ブランドの戦略をとっているオリエントは、若い人には有名なマリー・クレール、ミチコロンドン、ダックス、ランチェッティ・ジョルジュレッシュ、ポログラフ等をライセンス生産しています。当店でもマリー・クレールは販売しておりますが、とても良心的な良い機械のクォーツが内蔵しています。

現在のオリエントは年商300億円で、セイコーエプソンと親密な関係にあり、個性的な機械時計を発売しています。そして新開発のムーブメントを採用した『オリエントスター』ロイヤルシリーズを発売し、人気を博しております。