« 続時計の小話・第34話(セイコー・ニューシャテル・天文台クロノメーター) | | 続時計の小話・第36話(オールド時計を分解する時の点検事項) »
« 続時計の小話・第34話(セイコー・ニューシャテル・天文台クロノメーター) | | 続時計の小話・第36話(オールド時計を分解する時の点検事項) »
2007年01月22日

●続時計の小話・第35話(時計学校と技術試験)

先日、全国紙のY新聞に時計技術学校

『東京ウォッチ・テクニカム』
〒135-0016
住所:東京都江東区東陽3-28-6ロレックス東陽町ビル 
Phone:03-5857-2308

の2007年度生の生徒を募集する広告がなされていました。学校説明会が7月5日、26日、29日、8月26日、9月4日と行われ願書締め切りが9月11日という事です。将来、時計技術で身を立てたいと思われる方は、問い合わせてみては如何でしょうか?

東京ウォッチ・テクニカムは、スイスの時計学校WOSTEPのパートナーシップ認定校であり、2年間で3000時間のカリキュラムを実施する本格的な時計学校と言えるでしょう。初年度は応募者が沢山いて、入学競争率が大変難しいと聞き及んでいましたが、来年度はY新聞まで募集広告をするところをみると、生徒集めになかなか苦労されているのではないか?と思われます。やはり、最大のネックは2年間でかなりの金額を必要とする事ではないかと思われます。

今日、機械式腕時計がこれほどまでに普及してきた現在、メカ式時計修理技術者の技量を客観的にユーザーの方に解る為に、長野県で、『信州匠の時計修理士』の1級、2級、3級試験が一昨年より行われました。今年度から、セイコー・インスツル(前身・第二精工舎、子会社の盛岡セイコー工業 MSI)でも、新しく『いわて機械時計士技能評価』試験制度を創設されて、本年9月より同社で試験を行う事を発表されました。

時計技術の国家技能検定が、現在クォーツ腕時計に試験課題を限定されている中、あえて機械式腕時計を試験課題にして、技能試験を行うという事は、今後メーカーも本気になって機械式腕時計の時計修理技術者を育成していきたい、と思っているからに他ないと思います。

今回の、『いわて機械時計士技能評価試験』制度は、IWマイスター、1級、2級の3つの等級にわけ、学科及び実技試験を行い合否を判定するそうです。盛岡セイコー工業 MSIの社員以外の方にも門戸を開放して受験できるそうなので、これはうれしい事ですが、西日本の方にとっては交通アクセスが不便ですので余程の決意がないと受験できないのではないかと思われ、その点残念ではあります。

この試験を受験したいと思われた若い時計技術者諸君は、盛岡セイコー工業内、いわて機械時計士技能評価運営委員会(岩手県岩手郡雫石町板橋61-1 TEL:019-692-2694)に問い合わせてみるといいと思います。

小生も、5年後にはCMWの有志を集めてCMW(公認高級時計師)試験を必ず復活させたい、と思っています。その事が今までご恩を受けた諸先生への謝礼返しであると思っています。その為になんらかの行動を今後起こしていく覚悟でおります。