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2007年01月22日

●続時計の小話・第33話(好調なスイス・メカ式腕時計の輸入)

統計によると、2005年度の日本への完成腕時計の輸入個数は4217万個(対前年比0.3%増)で、金額では1931億円(対前年比9.6%増)で、金額では過去最高を記録したそうです。

その中でスイス腕時計は200万個(対前年比4.2%増)で、そのうちメカ式腕時計は、わずか40万6千個(クォーツを含む全輸入数の1%相当)であるにも関わらず、金額では851億円になったそうです。

メカ式腕時計の単品の輸入原価は、この数字から判断すると約21万円になり、スイス高級メカ式腕時計を日本の時計愛好家が好んで購入している事が伺い知れます。首都圏ではミニバブルと言われ、土地価格が高騰しており、また日本経済の最近の著しい景気回復により株価も順当に右肩上がりになってきている為に、一部の富裕層がその恩恵を被っている為でしょうか、東京のM百貨店・本店では、100万円以上もする高級腕時計が、月に何十本も売れるという、活況を呈しています。小生が住んでいる地方ではとても想像しがたい事ではあります。

巷間メカ式腕時計の人気もそろそろ下火になる、と言われて来ていますが、この数字から判断しますと、まだまだ日本ではメカ式腕時計の人気は落ち込まないのではないか?と思っています。

その人気の下支えしているのは、スイス及びドイツ時計メーカーが魅力のあるメカ式腕時計を、毎年バーゼルフェア、SIHHで発表し、新発売しているからに他ないと思います。スイス及びドイツ時計メーカーのメカ式腕時計に対する意気込みや思い入れは相当なものがあると感じざるを得ません。

弊店取扱いブランドのノモス、フォルティス、エポス、オリス、、ハミルトン、ティソ等も今後人気の出るであろう商品を新開発してきております。他では、特に関心が起きたのでは、グラスヒュッテオリジナル社が自社開発のCal.100を発表して、セネタ・カレンダーウィークとセネタ・コンプリートカレンダーの2種類の腕時計を発表した事です。

グラスヒュッテオリジナルの文字板はどれも全く派手さはなく地味な造りになっていますが、それが余計に真の高級感を漂わせる飽きの来ない雰囲気を持った顔になっています。

フレデリック・コンスタント社が新開発の自動巻きムーブメントCal.FC-930を出し、ハートビート・マニュファクチュール オートマチック腕時計に搭載し、発売する事になった事も嬉しいニュースです。

モーリス・ラクロア社が自社開発のコラムホイール方式の手巻きクロノグラフムーブメントCal.ML101を開発してきた事は、モーリス・ラクロア社も将来的にはETA社に頼ることなくムーブメントを完全自社生産を目指していく為の第一歩の踏みだしではないか?と想像しております。

国内メーカーでは、セイコー・クレドールが日本初の複雑腕時計をデビューさせた事でしょうか。このムーブメントは手巻きのスプリングドライブにソヌリ機構を搭載し、毎正時に自動的に時数をカウントするソヌリモード。12、3、6、9に三回鐘を打つ、オリジナルモード、現時刻を知らせるアワーリピーター機能も搭載している事です。

澄んだ音色を出す為に梵鐘製造で有名な土地柄の富山県高岡市にある、専門工場で作られた、お鈴(りん)が内蔵されているそうです。小売り価格はナント1,575万円もするそうで、おいそれとは買える時計ではないようです。