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2021年06月15日

●続時計の小話・第117話(時計屋の娘)

11月22日、BS-TBSでPM7時から池端俊策・脚本の『時計屋の娘』というドラマ番組が放映されていました。

文化庁芸術参加作品だけあって十分見応えのあるドラマに仕上げてあり、時計店の現場セットも十分吟味されていて、弊店にもある、いろんな時計修理器具・工具等が撮影現場に完璧に設置されていて、驚かされました。ここまでやるのかと驚かされました。おそらく視聴者の方でもビックリされた方もおいでたと思います。

3、40年前には、そうとう腕の良い時計職人であったろうと思われる俳優・國村隼氏が演じる秋山時計店が舞台になっていました。その時計店のセット風景には弊店でもいまだに現役で働いているFUZI超音波時計洗浄器、タイムグラファーIC-70、タガネポンス台、パーツ整理箱等が作業場にセットされていて、このプロデューサー八木康夫氏の妥協をしない入れ込み様に徹底したプロ意識を感じました。(かなり腕の良い時計職人の方が協力しているのでしょう。)

秋山時計店、店主が演じる國村隼氏が日ノ裏押エを糸ノコで別作している作業等もあり、興味つつ起きる演出でした。来年から実施されるCMW試験の部品製作には天真、巻真、裏押エ別作が予定されています。秋山時計店というと、懐かしく思い出される記憶があります、

滋賀県湖北のN市に同名の秋山時計店があり、私の父親と非常に親しい間柄の時計店・店主でありました、一人息子のお子さんがおられましたが、非常に頭の出来る子だったので、大阪大学に進学し、時計店の跡を継がなくなり、秋山さんがこぼして嘆いておられたことが昨日の事の様に思い出されます。

このドラマの中心に存在した時計は、ロンジンのアンティークの手巻き金無垢腕時計(スモールセコンドCal.23Zか?)で、500万円という相場で売買されているという話で、余りにも高価格で吃驚しました。

弊店にもロンジンのアンティーク腕時計を何本か所有していますが、特に小生が大切に保管しているのが、1953年ごろ製造されたCal.12.68ZS(中3針、手巻、シリアル9255514)で見事な造り映えで堅牢に作られていて今でも高精度の性能を保有しております。